第76話 社会の先生でした

 さてさて、今回も真面目です。

 私は社会のセンセーでした。そういう学校を出ているからです。東洋史が専攻でした。

 だから、塾でも企業内高校でも社会科系の科目を担当しておりました。

 塾は…

 あくまで当時の教育ですが、受験に役に立てばいい、重要視される部分だけ丸暗記出来る様にすればいいわけです。それじゃ詰まらないからエピソードとか加えますけどね。 

 でも、そういうことです。

 ところがこれが企業内高校になると…

 ある時『現代社会』を教えていました。

 まあ、いわゆる社会の仕組み、司法について話していたら、

 「あいつら(裁判官)は人の話を聞かない‼」と、1人の子が。

 ぶっちゃけ、家庭裁判所経験者だったわけです。

 人は自分のことはかわいいし悪くは言いません。だから、片側の意見のみを聞いて判断するほど、私も素直ではありません。

 でも、フォローでもなんでもなくて、彼女は若干ヤンキー気質ながらまともな判断も出来るいい子でした。

 『住居侵入』って言っていた気がします。

 どんな理由があってそうなったのか?

 彼女の行動を悪意ととらえ、訴えた人間がいたということです。

 そしてその上で、

 「あいつらは大人の話しか信じない」と言いました。

 真実は闇の中で…

 別の子ですが、ジュースの缶を歯で噛んでいたところパトカーに絡まれたと。

 シンナーを疑われたわけで、

 「んなもんやってないわ‼」と中身をぶちまけたところ、

 「ごめんね、おじさんも仕事だから」と、買いなおしてくれたそうです。

 いろいろと…

 大人の事情。大人の判断。

 わかりますが、モヤモヤします。

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