第25話 私、幽霊にもいい加減でした
もうこうなったら、幽霊話をもう1つ。
女子寮生は専科・本科合わせて200人以上います。人間がそれだけ集まると、信じる・信じないはともかくとして、霊感の強い子が存在します。
そういう子達に言わせると、噂以上にいっぱいいるそうです、この会社には。
まあ、戦前からある会社ですから。
ああ、見えなくて本当に良かった。
ただ、くどいほどに『見えない』を繰り返すその訳は?
本当に信じる・信じないは勝手ですが、私自身見えないまでも悪寒のようなもので『感じた』時期がありまして…
否定しとかないと怖いんだよ、ちくしょう!
で、今にしてみれば『感じる』のに何故そういう余計なことを、と思う。
教務室で後番勤務時(22時半過ぎまでワンオペです)、遊びに来た寮生数人と怪談をしておりました。
急にざわざわと寒気がし、同じように感じた参加者もいたため速攻お開きと相成った訳ですが…
翌日寮内1霊感があると噂の寮生に、
「すごいもん憑けてるねぇ」と微笑まれましたよ。
もちろん彼女、昨夜の参加メンバーではございません。番も違うので、私の愚行も知らない筈です。
なんで霊感ある子はこういう持って回った言い方をするのか?(←責任転嫁中)
どうしたもんかと悩んでいましたが何故かその日は忙しく、救急車を呼ぶほどでない急病人が出たりして、提携する医療機関(いわゆる総合病院です)に送り届けるなどバタバタするうち、背中の悪寒が消えていました。
見えない世界の住人は、より弱った人がいる場所の方が居心地がいいらしく、私、病院に捨ててきてしまったようです。
何を捨ててしまったか、本当のところはわかりませんが…
本当にすまん。
目に見えないものを不法投棄したのは、後にも先にもこれ1回切りでした。
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