警察署に連れていかれた
黒装束の女が逃げた後、僕も「隠形」を使って逃げ出そうかなと考えたのだけれど、路地裏には監視カメラが仕掛けられているので逃げたところでばれるし、何よりこいつを放って逃げるのも気分が悪かったので、僕は警察が来るまで待っていた。しばらくするとお巡りさんが路地裏にやってきて僕の両手に手錠をかけた。
「え?」
なんで?
「お、お巡りさん!?僕じゃないですよ!?」
「うるさい!言い訳は署で聞いてやる!」
そして僕はパトカーに詰め込まれ警察署に連れていかれた。
***
「本っ当にもうした後、僕も「隠形」を使って逃げ出そうかなと考えたのだけれど、路地裏には監視カメラが仕掛けられているので逃げたところでばれるし、何よりこいつを放って逃げるのも気分が悪かったので、僕は警察が来るまで待っていた。しばらくするとお巡りさんが路地裏にやってきて僕の両手に手錠をかけた。
「え?」
なんで?
「お、お巡りさん!?僕じゃないですよ!?」
「うるさい!言い訳は署で聞いてやる!」
そして僕はパトカーに詰め込まれ警察署に連れていかれた。
***
「本っ当に申し訳ない!犯人逮捕に協力してくれた方を犯人を間違えるなんて警察官失格です……明日当たり署長に辞表を出してきます」
「気にしてないから!てか、辞表を出すほどなの!?」
警察署に連れていかれた僕は、助けた女性が証言してくれたことで解放されて、今現在僕を捕まえた警察官の土下座を見せられているというわけだ。
「それにしても、赤堀議員の息子さんか……まさか通り魔事件の犯人だったとはね。証拠も挙がってるしこれはさすがにお縄かな。そういえば君、黒装束のやつと会わなかったかな?これまでこういう事件の犯人はそいつに消されてきたからね。もし見かけたら教えてほしいな」
「見かけるも何も、俺たぶんそいつとやりあいましたよ」
「え、マジ?」
「マジです」
「特徴とか無かった?」
「わかったのは女性ってことくらいですよ。声はボイスチェンジャーで変えてたみたいでわかりませんでした」
「へえ」
「強いて言うなら、最後にごみ箱をひっくり返して生ごみを被らせたんで、もしかしたら臭いくらいは残っているかもしれません」
「え、ごみぶっかけたの?」
「意図的じゃないですよ?吹っ飛ばしたら偶然そうなったってだけで」
「いや、君は十分すごいと思うよ。だって、あのジャパニーズジャックにタイマンで勝ったんでしょ?」
「そういえば、そいつも言ってたんですが、ジャパニーズジャックって何ですか?」
「ああ、君は知らないのか。ジャック・ザ・リッパーって知ってる?」
「一応、聞いたことくらいは」
「それの日本版ってことだよ。正体を掴んでないからね。一部では都市伝説か何かんじゃないかって言われてるくらいだよ」
「な、なるほど」
「僕の先輩が運がいいのか悪いのか一人で出くわしたらしくてね、勝負したらしいんだけどボコられて今も入院中。命に別状はないんだけどね」
「それはご愁傷様です。しょうがないですよ。だって結構強かったですもん」
あいつ僕にスキルを使わせたからな。
「あれを結構とか言える辺り君も相当だよ?格闘技でも習っているのかい?」
「ま、まあ。多少ですけどね」
本当は全くやってないのだけれど、とりあえず僕はそういうことにしてごまかすことにした。ちなみにその後、お風呂から上がったばかりのお母さんが来るまで僕を迎えに来てくれた。
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