変態

地球に帰ってきてから一週間が経ったころのとある平日。僕は朝早くに目が覚めたので軽く朝食をとって早めに家を出た。学校に着き教室に入ると全身をひもで縛られ天井から吊るされた半裸の女がいた。僕とそいつ……江口華はたっぷり数秒間目を合わせ僕は無言で教室の扉を閉めた。そして何も見なかったことにしてその場を立ち去ろうとしたその時、教室から江口の声が聞こえてきた。


「和希さーん、ちょっと待ってくださいよお~。ちょっとお願いがあるんですけど~」


少し嫌な予感がしたものの僕は一旦教室に戻る。


「そこの机にリモコンがあると思うんですけど、落としてしまって。ちょっとそれのスイッチをオンにしてくれませんか?」


僕は拘束を開場するリモコンか何かなのかなと思ってそのスイッチを押す。するとブーンというモーターの駆動音のような音が鳴りだして江口さんの体がビクッと跳ねる。


「ああっ!それですそれ!それを求めてたんです!」


江口さんは身をよじらせて謎の喘ぎ声を上げている。どゆこと?僕が困惑していると何やら教室の外が騒がしくなってきた。生徒じゃないな。この気配は先生だ。僕は何も悪いことはしていないと思うがなんとなく「隠形」のスキルを使ってとっさに教室の隅に隠れる。その直後、教室の扉が開いて広町先生が教室に入って来た。


「江口さん!ここにいたんですね!?一晩中探してたんですよ!」

「ひいっ!?先生!?んあっ!そんな目で見られると私ぃ!」


……なんで先生は江口さんが天井からつられていることに関して何とも言及しないのだろう。


「お母さんから聞きましたよ!一晩中帰ってこなかったって!」


まさか昨日からずっと教室でこんな格好でいたってのか!?


「とりあえずおろしますよ!」

「待ってください先生!もう少しで何か目覚めそうなんです!」

「既に目覚めてるでしょうあなたの性癖は!」


江口さんは先生に無理やり引きずるおろされるとそのまま職員室に連行されていきそのまま戻ってくることはなかった。

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