魔法少女
放課後三人で家へ帰宅していると僕の「索敵」スキルに魔物らしき影が映った。なんでだ?地球に魔物がいるなんて聞いたことがないぞ?とはいえ放っておくことはできない。
「ごめん!二人は先に帰ってて!」
「え!?ち、ちょっと!?」
僕は遠莉の制止を無視して地面を蹴ると民家の屋根に飛び乗って屋根伝いにショートカットして現場までの時間を短縮する。直線距離にして約一キロ近く離れているが僕は一分ほどで駆け抜ける。魔物らしき生物は二階建ての民家よりも大きくかなり遠くからでも視認することができた。って、だれか捕まってないか!?急がないと!
「は、放せ!マジック……」
「ウインドカッター!」
僕は魔物の腕を切り刻んで魔物の腕に捕まっていたコスプレ女性を救出する。
「大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます……もしかしてあなたも魔法少女なんですか?」
魔法少女?なんだそりゃ。
「ところで君、名前は?」
「も、申し遅れました、私は
「雨宿さんか、おっと、話してる場合じゃなさそうだ」
障壁を張って時間を稼いでいたけどそろそろ割られそうだし。
「マジックカッター!」
どこからか聞き覚えのある声と共に魔力の刃が飛んできて魔物に直撃した。
「大丈夫美那!?」
「大丈夫です。この人が助けてくれたので」
「へえ、あなたも魔法少女なの?」
だから魔法少女ってなんなんだよ。よくアニメで見るあれか?あれなのか?でも格好的にはアニメのあれなんだよな。
「……千鳥さん?」
「へ?知り合い?」
あ、そっか。カツラと眼鏡で変装してるからわからないのか。僕がカツラと眼鏡を取ると千鳥さんは金魚のように口をパクパクさせて僕を指差す。
「な、なんであなたがここにいるのよ」
「そりゃ、なんかヤバそうな気配がしたから」
「いや、おかしいでしょ!それに魔法使えるの!?結界張ってたみたいだけど」
結界?あんなの魔法でもなんでもないただ魔力を固めて壁にしただけだぞ?
「ま、まあいいや。とりあえず危ないから見ときなさい」
千鳥さんは気を取り直したかのように深呼吸すると、ステッキを魔物に向ける。
「マジカルショット!」
千鳥さんは近づいてくる魔物に魔法を放つ。でも、あの魔物、魔法防御力が8000近くあるからそんなのじゃどうあがいたって傷一つつけられるわけがない。案の定千鳥さんの放ったマジカルショットは魔物の表面に容易く弾かれてしまった。
「嘘っ!?」
「そ、そんな!優花先輩の魔法が弾かれるなんて!」
当分この二人は放心してそうだし手助けするか。
「ダウンバースト!」
「ガ、ガ、ガ」
魔物を空気の塊で上から押さえつけて動けなくしているが、ここは住宅街なので長時間この魔法を行使すると、発生する風圧でどこかの家が潰れたり吹き飛んだりしかねない。
「ウォータースフィア!フリーズ!」
僕は水の球の中に魔物を閉じ込めると、その水球をまるごと凍らせる。火属性とか雷属性の魔法が使えればいいんだけれど、こんな低いところで使ったら家に引火しかねない。
「エアアッパー!」
少しMPの消費は激しいけれどエアアッパーを使って魔物を上空へ打ち上げる。
「フライ」
僕は飛行魔法を使って宙へと浮かぶと魔物を追う。
「ヘルオブライトニング!」
僕が使える魔法の中で最高火力を誇る魔法を魔物にぶつける。魔法防御力を無効化できるのでどんな相手にでもダメージを与えられる。
「終わったね」
雷が魔物を貫いた後に魔物の痕跡は肉片一つ残っていなかった。
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