　登場作品『初恋と幽霊』『妹な私』ほか。

　藤崎藍の初恋の相手は、近所に住む七歳年上のお兄ちゃん、有馬優斗。藍が小さかった頃から、ずっと妹のように慕われ、溺愛されてきた。

　そんな藍も、今は高校生。

　とある休日、ついうっかり寝坊していると、藍の両親に頼まれたのか、優斗が藍を起こすため、部屋の戸をノックしてくる。

　　　　　　　◆◇◆◇◆◇

　トントン────おはよう、藍。

　うわっ。なんか凄い音がした。藍、大丈夫？

　えっ。まだパジャマのままだし、髪もボサボサだから、入ってくるのは待って？

　わかってるよ。藍だってもう高校生なんだし、そういうの気にするよな。

　昔俺が泊まりに来た時は、パジャマどころか、一緒に寝るって言って布団に入ってきたけどな。

　って、また凄い音。本当に大丈夫か？

　もう子供じゃない？　わかってるよ。

　ほんとだって。すっかり大きくなったし、それに、綺麗になった。

　着替え、終わったみたいだね。入るよ。

　変なところはないかって？　大丈夫。ちゃんと可愛いし、綺麗だよ。

（ほんと。綺麗すぎて、たまにドキッとすることがあるよ。こんなこと、言っても信じてくれないだろうな）

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