第2話:調査開始

『今日は学校を休んでるみたいだけど、どうしたの? めずらしいね』


 スマートフォンでメッセージを送っておく。

 これで返事がくれば事件解決なんだけど、それまでに私も少しでも動いておこう。

 ……何かしていないと、落ち着かないから。


「美沙ちゃん、紅葉ちゃんが休んだ理由、解いちゃうの?」

「何かな、何かな」


 同じクラスの友達が、口々に言いながら私の周りに集まってくる。


「まあ待ってよ! まだ原因を考えるには欠片ピースが無さ過ぎるからさ。解かり次第教えるから」


 ――私こと金城美沙は、これまで『町会費紛失事件』や『学園七不思議幽霊目撃事件』なんかを、華麗に解決してきた。

 盗難騒ぎの犯人が風に吹かれたカーテンだった事件、その名も『カーテン』なんかは、我ながら見事な推理だったと自負している。

 同じ小学校から上がってきている皆は私のこれまでの活躍を知っているし、他の小学校から来た子達も、もうだいぶ知ってくれているのだ。


「分かった! 楽しみにしてるね!」


 3時間目の授業の開始のチャイムと共に先生が入って来たので、私を囲んでいた皆はめいめいの席へと戻って行った。

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