社畜は認識ないから社畜の人がいたら教えてあげよう。
前略
休みの日には昼からビールを2本も飲んでしまうお母様
ご褒美の猫パンチをいただけました。
明日も頑張れそうです。
★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★
ルゼルたんのツンデレを摂取したので、私は元気です!
そんな訳で、宰相室へ呼び出されました。
何やら仕事を見つけたとの事だ。
どんな仕事かなー?とルンルン気分でルゼルたんと行くと、宰相室は重く、暗い雰囲気を出していた。
宰相なんか、後ろに闇背負ってるよ。
部屋間違えたかな?と思って一度閉める。
周りを確認したが、昨日来た所と変わりないな。
再度部屋のドアを開けると、宰相はやはり闇を背負っていた。
ドアが開いたことにすら気づいてもらえていないらしい。
「あのー、おじゃましてます。」
声をかけると、宰相は顔を上げた。
「ああ、タチバナくん。
気づかなくて悪かったね。」
宰相は先日見た生き生きとした顔ではなく、死にそうな顔をしていた。
「大丈夫です。
なんか、大変そうな感じですね。」
「そーなんだよー。
異世界の一人がね、色々やらかしてるみたいでね…
ちょっと困っててね…」
異世界人ってなるとあの乙女ゲーみたいな二つ名がついてるあの人達ですか。
「へー、大変ですね。
頑張ってください。」
「そこは、どうしたんですか?力になれる事がありましたら、なんでも言ってください!って言う所じゃない?」
「え、嫌ですけど。
こっちとら、この世界で生き残るのに精一杯ですよ。
他人なんか構ってる余裕ないです。」
そうだよねー。って言いながら、課長は頭を抱えた。
まあ、余裕が出たら話聞いてあげたい気持ちがあるが、今ではない。
「課長、仕事の件はどうなりました?」
課長は力無く笑って、ごめんごめんと言いながら一枚の紙を渡してきた。
ルゼルたんが私の肩に乗りながら紙の内容を見てきた。
毛がもふもふですね。
ご褒美再びですか。
ありがとうございます!!
ルゼルたんは、ふーんと言っただけであとは何も発しなくなった。
私読めないんですけど??
「仕事はランチもやってる酒場だよ。
結構な繁盛店でホールの人手が足りないらしい。
我が騎士団もよく行く所だから、ランチや飲み会がてら顔出すように伝えとくよ。」
接客業か。
以前は営業だったので、なんとかなるかな?
「店には異世界人であることは伏せてある。
黒髪黒目で魔力はないことと、読み書きは出来ないことは伝えてある。
理由は機密事項にしたから、聞かれないとは思うが…」
色々根回ししてくれたんだな。
「ありがとうございます。」
「我々が出来ることが少ないので申し訳ない。
正直、魔力無しは待遇が悪いところではある。
他適性がないと、どれくらい君の対人関係に関わるかなんとも言えないない。」
心配されているんだなぁ。
優しい人だと思う。
すごく悔しそうに話をする課長に心がぽかぽかする。
「大丈夫です。
課長とスミスさんが探してくれた仕事、頑張ります。
もと社畜と呼ばれていたので、大半のことはへこたれません!!」
「良かったと言いたいが、シャチクってなに?
家畜みたいな響で嫌な予感しかしないけど!!」
「課長!そこは、馬車馬のように働け!!って言うんです!!」
「え!?なに、怖いんだけど!!
そんな頑張んなくていいよ!!」
よし、優しい課長とスミスさん、あとはお金返す予定のホワイトさんのために頑張るぞ!!
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