ヤバイ奴等
「私達も、行きます」
三人の桜さんは、店が終わるまで待ってくれていた。
私は、桜の場所に来ていた。
「兄ちゃん、危ない。」
私は、桜の木からのいた。
「あー、もう、いい加減死んでくれなきゃ?」
「死んだかな?私には、優季が見えてる。」
「それは、優季の弟の
「真希?」
「せっかく三人と同じ死に方にさせてあげようと思ったのにさ」
「トミー」
「えっ?慎吾なんでいるの?」
「あぁー。言ったよね。俺の思考はいつか人を殺すから駄目だって、香乂よぉー」
「春一、何で?」
三人に私は、囲まれた。
「兄ちゃんから、離れろよ」
「あんたさぁー。あの日、俺達の話を聞いて出ていけって言ったよな?覚えてない?香乂」
私の顔に、ナイフをペチペチとあてる。
「これ、どういう事?」
「危ないから、離れている方がいい」
近づこうとする並川さんを止めた。
「毎年、やってもあんた死なないじゃん。あいつが、いるからさ。今日は、三人の桜まで連れてきてさ」
「私を殺したくて、彼等を殺したのか?」
優季にソックリな男が近づいてきた。
「あのさー。香乂が悪いんだよ。俺達の事を酷く言うから。ねえー。香乂をわかってるのは、俺達三人だったろ?なのに、顔だってこんなに似てるのに、俺を邪険にするんだからさあー。」
「お前等、兄ちゃんが好きなのかよ?」
大乂の言葉に、俺は桜の木に押し付けられた。
「ねぇ、弟君。いいこと教えてあげる。10年前に、三人を殺したのは俺達三人だよ。理由は、何かわかる?」
「わかるわけないだろう」
「だよね。俺達はね。この人に認められたかったんだよ。承認欲求ってやつだよ。この人に認められた人は、みんないい顔して出てくる。俺達も、その顔がしたかった。それと、同時に香乂の美しさは別格だよ。両方いけるんだろ?咲哉から、聞いてたよ。だから、俺達三人は香乂が欲しかったんだよ。ずっと…。」
「そんな事で、三人を殺したのか?それなら、私を殺せばいいだろう?」
私は、優季の弟の胸ぐらを掴んでいた。
「香乂、それは違うよ。俺達は、君が欲しかったんだよ。なのに、なぜ、君を殺すんだよ。ユージーニとは、違うよ。死体を抱いたって楽しくないじゃないか?」
「兄ちゃんに、
「大乂、くるな」
「かしこいね、香乂。弟が殺されちゃったら嫌だよね?」
「なぜ、三人を殺したのかって聞いてる答えになっていないだろうが…。」
「香乂、三人は、君にとって特別だったんだよね?だから、殺されたニュースに絶望した。君と同じだった。自分の性癖に絶望しながら抗えない気持ちを抱えていた。だから、君はあの店を作った。だから、囚われたものしか入店できなかった。俺は、香乂に出会った日から、香乂の世界の虜だったよ。」
「トミー、君の性癖はいつか誰かを殺す」
「俺等のものに、君がなるなら…。四人は、解放してあげてもいいよ。」
「何で、何で、優季を殺したのよ。双子でしょ?」
「双子だから何だ?俺は、優季が大嫌いだったよ。性的サディストでありながら、その自分を否定して生きていた。両親から抑えつけられて生きてきた。俺は、狂ってる両親を殺そうと優季に言ったよ。優季は、嫌だと言った。あいつのせいで、俺は死ぬ寸前までの暴力を受けたんだよ。わかるか?世界で一番、大嫌いだったよ。」
「そんな理由で殺したの?優季を、そんな理由で」
「そんな理由?テメーみたいなやつには、わかんねーよ。」
「やめろ。花井さんには、手を出すな」
私の言葉に、優季と、同じ顔が私を見つめる。
「だから、俺等のものになる?」
「なるから、やめろ」
「兄ちゃんに、
トミーは、大乂に刃物を突き立てる。
「やめろ、なるから。やめてくれ」
「いい子だね。香乂」
そう言って私は、腕を引っ張られ車に乗せられた。
走り去る車の中で、涙を、流していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます