第6話宅飲み

今日は神谷と久保田の2人の喫煙同盟者は、久保田の自宅で宅飲みをした。

獺祭で乾杯した。

神谷も久保田もいつもと変わらず、喫煙をしながら酒を飲んだ。

「久保田、お前んちキレイだな?」

「断捨離したんだ」

「断捨離?」

「ちょっと、長く家を離れるからな」

「刑事にも転勤があるのか?」

それには触れず、久保田は大量の薬をミネラルウォーターで飲んでいる。


「久保田、病気なのか?」

「ああ」

「何の病気だ?」

「食道がんだ」

「何だと?ステージ1だろ?驚かすなよ」

「いや、ステージ4だ」

「何だと」


久保田は悟った顔をしている。セブンスターに火をつけると、最後の一本らしくソフトケースを握り潰した。

2人は静かになった


「オレは、持って3ヵ月らしい。治療は断った」

「でも……」

「神谷、オレは楽しかったぜ」

「久保田、今夜は最期だ。とことん飲もうよ。実は、セッタ3箱買って来たんだ」

「サンキュ、神谷。買い出しに行こうか迷ってた」

2人は散々飲んだ。


2ヶ月後、神谷の自宅に電話あった。久保田が永遠の別れを告げる電話であった。

通夜に行くと、かなりの関係者が集まっていた。

遺影には明るく笑う、久保田の顔があった。

喫煙同盟はここに終了した。

神谷は、喫煙居酒屋へ向かった。

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