第5話少女を火傷させたヤツ

今年の梅雨はカラ梅雨だった。

暑い日が続く。まだ、喫煙を続けている、神谷と久保田は喫煙居酒屋にいた。

「山下、おせ~な~」と、神谷が言うと、

「そのうち来るって!オレたちだけ、フライングで飲んじゃえ!」

と、久保田が言い、2人は生ビールで乾杯した。

夕方5時の約束だったが、1時間経っても山下は現れない。喫煙同盟の会長は山下なのだ。彼がタバコを辞めるハズがない。

体調が悪いのか?

2人は、交互に山下に電話するが、留守番電話になるばかりであった。

たまには、こういう日もあるさと、2人は枝豆を食べながら、ビールを飲んでいた。

2人はなんと無く、居酒屋のテレビのニュースを見ていた。

さて、明日は何度まで気温が上がるのか気になるからである。


【続いてのニュースです。市内の少年野球部監督である山下渡容疑者が、歩きタバコをして近くを歩いていた、少女の耳を火傷させ、駆け付けた警官により、業務上過失致傷で現行犯逮捕されました。少女は全治1ヶ月の火傷を負いました。山下容疑者は、普段から歩きタバコをしていたと供述していたとの事です】


「あのバカ、逮捕されやがった!」

「おいっ、久保田。お前は大丈夫だろうな?」

「当たり前だ。刑事だぜ、オレは」

「これで、喫煙同盟は2人か……」

「ま、オレたちはクレバーだ。アイツらとは頭のデキが違うんだ」

2人は喫煙しながら、山下を罵った。

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