第3話脱落者

新たな喫煙同盟の5人は、喫煙可能店に集まった。

先月、教師の伊東が同盟を脱退したが、他のメンバー喫煙を続けていた。

今日はホッピーの黒で乾杯した。

すかさず、喫煙をする。

皆、仕事の話や家庭の愚痴を漏らして、人の不幸は蜜の味だから、カミさんからDVを受けている、桜井は笑い者にされた。

しかし、佐々木は始めから口数が少ない。

タバコも一本しか吸っていない。

久保田が心配して、

「佐々木、体調悪いのか?あんまり飲んで無いし、ヘビースモーカーのお前がまだ、一本しか吸わないって!」

佐々木はうつむいた。


「ま、まさか、佐々木タバコ辞めるのか?」

「実は、最近味覚がおかしいんだ。洋菓子店だから、ケーキとか焼くんだけど、客から甘すぎるって!言われたんだ」

「それで?」神谷が話を引き出す。

「カミさんが言うには、タバコが原因だって、五月蝿いんだ。だから、今日でタバコは辞めようかと思っているんだ」

「ふん、腰抜けが!そんな、嫁さん離婚しちゃえ!」と、山下が発言する。

「うちの店や、家はカミさん名義なんだ。離婚したら全てを失う。喫煙で離婚したって笑えないからな!」


「お前の気持ちは理解した。残念ながら君は喫煙同盟を脱退だ!最後の酒だ。今日を思い出にしろ、佐々木!」

「……皆、ゴメン」

佐々木は立て続けに、マルメンを2本吸うと

テーブルに 1万円置き店を出ていった。

これで、喫煙同盟加入者は2人減り4人になった。

「洋菓子屋なら、始めからタバコすうなよな!」

「俺なんか、タバコ吸うお寺の住職さん知ってるよ」

残された、4人は職業柄タバコを吸えないヤツは、始めから吸わないか、会社辞めるしかないと、暴言を吐いていた。

次は誰だ?と、冗談を言う4人であった。

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