第2話喫煙居酒屋

6人は山下の案内で、焼き鳥屋へ入っていった。

座敷席を選び、全員が生ビールを注文した。さっそく、同窓会の二次会である。

6人は勢いよく乾杯して、生ビールを流し込んだ。


んぐ、んぐ、んぐ。

プッハ~


6人は、タバコを吸いながら話した。

「この喫煙同盟は深い繋がりであり、禁煙したものは、仲間では無い!」

と、久保田が話す。

みんなは、禁煙出来る訳が無いと大笑いした。

しかし、教師の伊東が言う。

「僕は教師だから、タバコが職場じゃ吸えないんだ。そして、生徒にタバコ臭いと言われたら保護者に何て言われるか怖くて、禁煙を考えたりする事があるんだ」

すると、桜井が、

「大丈夫、大丈夫」

と、言うと、

「何かしっくり来ないな~。タバコを吸いたかったら、教師なんて辞めちまえ!」

と、佐々木が言うと、

「お前らに、僕の苦しみが分かるもんかっ!」

「まぁまぁ、伊東の気持ち理解しているから、今日までは楽しく飲もう。そして、ここでお別れだ!」

神谷がそう言うと、

「お別れ?」

「当たり前だ!喫煙同盟を脱退するんだから」

「……うん。今日で皆とお別れか~。皆元気でね」

伊東は涙ながらに話し、タバコを1本吸うと、テーブルに5千円札を置いて店を出ていった。

残された、5人は、伊東を罵った。

「教師でも、一人の人間だろ?タバコくらいいいじゃねぇか!」

山下は、紫煙を燻らし機嫌が悪かった。


この日を境に、5人は定期的に飲む事になった。

喫煙同盟の親睦を深める為に……。

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