ノエル再登場
シータとの面通しを終え、アレックスは宿屋の自分の部屋に戻ってきた。翌日の朝にはシャーウッドの森に向かう手はずになっているので、ゆっくり休んで明日からの冒険に向けて英気を養うことにした。
「マスター、明日からの冒険は楽しみ?」
アスタロトはアレックスに冒険は楽しみか聞いてきた。
「いきなりアーニャからシャーウッドの森に調査に行くと聞いた時は驚いたけど、今は冒険者としてシャーウッドの森へ調査することになって光栄だと思っているよ」
「あたしも、シャーウッドの森に調査依頼が知らないうちに決まって驚いたよ……現在のシャーウッドはどんなふうになってるか楽しみだよ」
アスタロトとアレックスはのんびりととりとめのない雑談をしていると、部屋にノックの音が響いた。アレックスは慌てて扉の鍵を開けた。
「アレックス様、久しぶりですね……ノエルです」
ノエル・ウィロウリヴィングがふらりと扉の前に姿を現した。
「ノエル! 何しに来たの!」
アレックスは突然のノエルの訪問に驚いた!
「今日は報告に来ました……シャーウッドの森の調査依頼、わたしも同行させてもらいます」
「えっ!?」
アレックスはノエルの報告に驚いた。
「ギルドマスターの依頼でシャーウッドの森の調査に同行になったのです」
「なるほどね~、傭兵としての依頼でシャーウッドの森へ調査に同行することになったのね」
アスタロトはノエルの傭兵としての依頼を理解した。
「このヘレティックな女性は誰ですか?」
ノエルはアスタロトを見て怪訝な表情になった。
「あたしはアスタロト、マスターのお姉ちゃんだよ」
「……そうですか」
ノエルは無言でアレックスを見つめた。
「……いや、違うよ。アスタロトはマスターと召喚物の関係でそれ以外の関係はないよ!」
アレックスは慌ててアスタロトの言葉を打ち消そうとした。アスタロトはふてくされた表情を見せた。
「……申し訳ありません。アレックス様が変な性癖に目覚めたかと思いました」
「ちょっと!」
アレックスはノエルに抗議をした! するとノエルは微笑んだ!
「……冗談ですよ」
そう言ってノエルはアレックスに向けてほほ笑んだ。
「アレックス様、ではまた明日」
そう言ってノエルは去っていった。
「……マスター、変な性癖に目覚めてもいいんだよ?」
アスタロトは冗談めかしてアレックスをからかった。
「……アスタロト、冗談がキツいよ」
アレックスは陰鬱な表情になった。
◆◆◆◆◆
六王機関の秘密のサロン。そこでドクター・レッドランドと連絡員の接触が行われていた。
「ドクター・レッドランド……六王の腕輪を持つ少年はどうやらシャーウッドの森に向かう様です」
「ククク……奴らはシャーウッドの森に向かうのか……面白い」
ドクター・レッドランドは不気味な笑顔を連絡員を向けた。思わず連絡員はゾッとした。
「コールドスティールよ……今すぐシャーウッドの森に向かってくれ。あわよくば六王の腕輪を持つ少年を拉致って私のもとに連れてこい」
するとどこからともなくダークエルフの少女……コールドスティールがドクター・レッドランドの前に現れ恭しく跪いた。
「了解しました……御主人様」
その異様な光景を見た連絡員は絶句していた。
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