第35話 さぁ、嫌がらせを始めよう!!


こんばんは? まだ、こんにちはかな……。

ルークです。


昨日考えた作戦を、朝一で辺境伯様へ伝えたところ………大爆笑の下、認可されました。

なのでこれから………作戦という名のを始めたいと思います。


ちょうど日が沈み始め………うっすらと暗くなったこの時間。

今回の戦場となる草原………反対側に隣国軍の野営地がなんとか見えます。


ドラゴさん、ドラゴさん………とりあえず……20株、出してくれます?


「ぬぅぼぉ⤴︎⤴︎」



ドラゴさんが快く……〝マンドラゴラ〟さん達を出してくれる。



さぁ、マンドラゴラさん達………突撃です!!

彼らの短い足では………向こうに着くのに時間がかかる………でも、今回は別に急ぐ必要はない………ぐふふふふ。


だって、彼らが叫ぶには………もっとのだから………。


▼▼▼


(ここからは………小声でお送りします。)


改めて、皆さんこんばんは。

ルークです。


今の時間は………夜中の2時です………。

敵側の野営地からは最低限の光しか見えません………みんな寝ているようです。

そろそろ良いタイミングかもしれません。


今回の作戦を実施するにあたり、こちらの陣営には起きていて貰いました………念の為ってヤツです。

全員、暗闇の中で耳を塞いでいます………。



さぁ、嫌がらせを始めよう!!

ドラゴ先生………よろしくお願いします!!



抱き抱えたドラゴさんと目を合わせると、コクリとドラゴさんが頷く。

ドラゴさんが………スーッと息を吸い…………


「ぬぼっ!!」


っと、短く叫んで合図を出す。


………その瞬間………



「ぬぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」×20



マンドラゴラさん達の叫び声が聞こえてきて………敵陣が騒がしくなるのを感じる。

うんうん。良い感じになっているみたいだ。

後は……朝まで個別に好きな時に叫んでもらう。


結局……マンドラゴラさんの叫び声は………朝まで聞こえてきたのだった…………。


うん………ご愁傷様………。


▼▼▼


(今日は最初から小声でお送りします。)


皆さん。こんばんは。

日が改まり2日目です。

ルークです。


「ぬぼぉ〜⤴︎⤴︎」


うん? ………あぁ、ドラゴさんも挨拶したかったのね。

ありがとうございます。


昨晩の作戦………実は成功したのか失敗したのか………わかっていません………。

なぜ? ………って………実は……敵陣に入っていた間者が帰ってこなかったのです………。

なので……敵陣の情報がわからなかったのです……。


捕まった? って心配したのですが……辺境伯曰く、多分違うらしい。

とても優秀な間者らしく、捕まったとは考えにくいそうだ………じゃぁどうして? っていうと……多分、マンドラゴラさん達の叫び声にやられたんだろうと………。


なんかすみません………でも、やめませんよ。


それから……マンドラゴラさん達……12株やられました………。

犠牲が出たことに心が痛まないといえば嘘になるが………ドラゴさんがその都度慰めてくるので……形だけでも気にしないことにした。


そして、補充も含め20株のマンドラゴラさんを改めて送り出す。

今晩も準備万全です!!


では、始めましょう!!

では……ドラゴ先生……よろしくお願いします。

うん? 一緒に掛け声をしてほしい?

良いですよ。



せ〜の〜 「「ぬぼっ!!!」」


「ぬぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」×28



闇夜の空にマンドラゴラさん達の雄叫びが響く………そして、昨晩に引き続き……ざわめき出す敵陣。


グフフフフフフ!! 安眠できると思うなよ!!

これが毎晩………朝方まで続く………うん。地獄だなこれ……。


そうそう、今晩は味方の方々には寝てもらっています。

十分距離が有り、影響が出ないのがわかったからだ。

彼らには日中の嫌がらせをやってもらうことに………。

これで隣国軍には休む時間が無くなる………。


さてさて……どうなることか………せいぜい頑張ってください。



***********

《番宣》


「ぬぅぼぉ⤴︎⤴︎」


………急にどうしたんです? ドラゴさん?


「ぬぅ〜ぼぉ〜♫」


………★が欲しい? 空にいっぱい輝いてますけど……。


「ぬぅぼ!!」


いた! 痛い! 痛い!! ……もう、なんなんですか……?


「ぬぅ〜ぼぉ⤵︎⤵︎」


もっと宣伝しろ………な、なんか……すみません……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る