第33話 フラグ………それは世界の真理……


ガタゴトガタゴト! ………ガタゴトガタゴト!! ………ガタン!!


アウチ!!


馬車の天井に頭をぶつけた………急いでいるとはいえ………飛ばしすぎでは……?


皆さん。こんにちは。

ルークです。

僕は今、すごい速度で飛ぶように走る馬車に乗っているのです………。


ことの発端………それは………。

二日酔いフィッシュドラゴン討伐隊が街を出て5日目。

そろそろ湖に到着し、戦闘が始まっているのかもしれない頃。


そんな中………僕はその日も〝薬草採取〟を終え冒険者ギルドに来ていたのですが……………。



………。

…………。

……………指名依頼……ですか?


「はい。領主様からのルークさんへ指名依頼です。」



っと、受付のお姉さんから………満面の笑顔で言われる。



えっと………拒否権は………はい? 街から逃げるならどうぞ?

………わかりました。………すぐに向かいます………。



▼▼▼



まさか………再び来ることになるとは………領主様の屋敷………。

案内されたのはいつか部屋だ………。


領主様が来るまでにお茶とお菓子が出される。

ドラゴさんが………美味しそうにお菓子を食べている………。

………頭に双葉がある以外は………普通の幼女にしか見えない………そっと頭を撫でてあげる………。



「ぬぅぼぉ〜?」



突然の僕の行動に、ドラゴさんが気持ちよさそうに目を細めながらこちらを見てくる。

それを見て僕は笑顔を返していると………ドアが開き領主様が入ってきた。


…………相変わらず………お髭が立派だ………なんて思ってしまった………のは内緒だ。


対面のソファーに座った領主様が、早々に指名依頼の話を始める………。


………。

…………。

……………隣国と戦争………それに参加しろと………すみません………詳しい説明をお願い………します。


領主様は簡潔に説明をしてくれた。

それによると………二日酔いフィッシュドラゴンの討伐のために、この国王国が援軍を出したのを知ると………隣国が国境沿いに兵を配備したそうだ。

そして昨日………ついに………小競り合いが発生してしまったそうだ。


大きな損害は出なかったが………二日酔いフィッシュドラゴン討伐に主だった部隊を向けてしまった王国軍は………劣勢にあるらしい………。


そこで国王陛下………先日の魔物、魔獣の群れを撃退した領主の話を思い出し………僕を招集したいと領主様へ相談したそうだ………。


うわぁ…………実質上の依頼主は………国王陛下か………。

これは断るには………国から逃げるしかないか………。


いけなかったのか!?

先日………あんな事………マンドラゴラさんが居れば……一国を相手できる……なんて考えたのが………。


………。

…………。

……………もちろん了承しましたよ………はぁ………。


出発はいつですか? ………はい? 今から!?



そして………冒頭に戻るのだった………。

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