第31話 完全防備………。


おはようございます。

ルークです。


王都から援軍が来て2日。

あれから黒馬の美女………〝オウカ様〟と特に会うこともなく日々が過ぎた………。


今日は朝から〝常夜の森〟の縁へ薬草採集。

金に困ってないだろう? ………いえいえ、冒険者ランクを上げたいので点数稼ぎです。


この前の襲撃以降、大きな群れの襲撃は無いが………小さな群れの単発襲撃はあるようです。

そんな僕も………普段より多く魔物と接敵しているのですが………。



「ぬぼぉ!!!」


〝バン!!!〟


〝GYA!!!〟



………ドラゴさんの一撃で吹っ飛び……終わる………とどめを刺すだけのお仕事………はぁ……。

僕の戦闘力? 戦闘技術? ……全く上がっていないんだろうな………。


魔物を解体し、薬草の採取も終わったので冒険者ギルドへと向かう。

そう言えば………今日はマンドラゴラの供給日だ……丁度良かった。


建屋に入ると、職員がバタバタしていた………何事?


近くの冒険者に聞いたところ、二日酔いフィッシュドラゴン討伐隊がこれから出発するそうだ。

あぁ、なるほど………何組かの冒険者も参加するからその対応なのだろう………。


………今日はやめておいた方が………うん? 大丈夫?


受付のいつものお姉さんが手招きしてくる。

僕は大人しく受付へと向かった。

慣れた物でサクサクって受付、処理されて終了。


夕食までの時間をもてあまs………農具屋さんですか……はい。



▼▼▼


三度やってきました……農具屋さん。

店員さんが満面の笑みで迎えてくれる…………はい? 上客だからあたりまえ? ………ははは。


………。

…………。

……………っで、手に持ってるものはなんですか? 店員さん?


いつのまにか、店員が木で編んだ三角形?……カゴのような物を持ってきていた。


これ………なんですか? ………えっ、カサ? 笠?

これ………被るの?


店員さんから受け取って……被ってみる。


すごいね………人の目って……こんなにも泳ぐなんて………。

「に、似合ってます。」って言う店員の目が泳ぎまくっていた………。


っで、定員さん。これの説明をお願いします。

ふむふむ。聖樹の枝を編んで作った笠だと………。

物理防御だけではなく……魔法防御にも優れていると………。

また、店長がお金をかけて趣味で作ったと………。

売れないと店が傾く? ………知らんがな………。


そんなやりとりをしていると、色々と持ったドラゴさんがやってきた。



「ぬぼぉ♫」



………親指を上に立てて突き出してくる………えっ、似合ってるって? ………あ、ありがとうございます………。


………。

…………。

……………どうでもいいですが……ドラゴさん? これ被ると……肩車できないですよ?


『がーん!』って言う文字が見えるくらいの表情をするドラゴさん……。

気づいてなかったのね………。


まぁ………結局買うんですけど………姿見の中の僕………どう見ても冒険者じゃないよ……とほほほ。


っで、ついでに肥料を数種類買う。

さっきドラゴさんが持ってきた物………粒状の肥料と液状の肥料……了解です。


ニコニコ顔の店員………「毎度、ありがとうございます!!」

っじゃないよ!!

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