第30話 多分………同類?


こんにちは。

ルークです。


今朝目を覚ましたら………全身筋肉痛でした………。

まぁ……原因は分かってます………畑を作ったせいです………。

どんなに格好が農家さん風だと言っても………僕は冒険者なのですから………。


使う筋肉が違うってもんです………フンス!

はい! そこ! 異論は認めませんよ!!


さて、昼前に冒険者ギルドのお遣いが来ました。

魔物、魔獣の群れの討伐………それの報酬金が出たそうなので受け取りにきて欲しいと。


っと言うわけで………お昼ご飯を食べた後、冒険者ギルドへと向かいました………もちろん、ドラゴさんは肩車です。

ネコ車を所望されましたが………断固拒否しました………。

また確保されたら……たまったもんじゃない………


さてここで少し話がそれますが………この街……領都の地理について………。

この街は王都から5日くらい南下した場所にあり、形状は円形、ぐるっと高さ5mくらいの防壁に囲まれている。

王都から伸びる道はそのままこの街の大通りとして縦断しており、その大通りに沿って南北に門が設置されている。

ちなみに南門側が〝常夜の森〟に接している。

中央に領主の屋敷があり、冒険者ギルドは〝常夜の森〟側の南地区に建てられていた。


そして、僕の新しい家は北東の住宅街に建てられている。

まぁ………何が言いたいかと言うと……冒険者ギルドへ向かうのに、大通りを通るのが楽だと言うこと。


そんな感じで、ドラゴさんと一緒に大通りに出ると………すごい人だかりができていた。

みんなが歓声を上げている………なんだろうっと立ち止まって………大通りを見ると………。

鎧を着た兵隊たちが隊列を組んで北門から入ってきていた。


近くにいた冒険者に話を聞くと………二日酔いフィッシュドラゴンを討伐するため王国軍の援軍が来たのだとか。

しばらく大通りは使えないなぁ………っと入っていくる隊列を見ていると………黒い馬に乗った美女と目が………合った……?


視線を外し、ドラゴさんへ向けると………ドラゴさんも気にしているようだ。

どっかで会ったことあるか………? いや………あんな美女と会っていたら忘れるわけがない………。


視線を美女に戻すとまだこちらを見ている。

また、目が合うとニコリと笑顔を向けられた………とりあえず、ペコリと頭を下げておく。

美女は満足したのか………視線を前に戻して隊列と一緒に………進んでいったのだった……。


王国からの援軍は、領主の館へ入って行ったみたいだ。


僕は当初の目的を果たすために冒険者ギルドへ………。

僕も有名人になったものだ………ギルド建屋に入っても誰も気にしないようになった。


受付へ行っていつものお姉さんに用件を伝える。

報酬金の金額を聞いて………ギルドに貯金しておいてもらう。

その手続きの間、二日酔いフィッシュドラゴン討伐の話を聞くことになった。


それによると、二日酔いフィッシュドラゴンの討伐は

冒険者、憲兵、王国軍の合同で行うそうだ。

僕も参加した方がいいか尋ねたところ………必要ないそうだ………。

今回は上級冒険者だけが参加できる依頼。

国の上層部が決めたそうだ………それでは……流石に強行参加はできない。


よほど僕は残念な表情をしていたみたいだ………受付のお姉さんがクスリと笑う。


なっ、なんでしょう? ………僕はこの街の最終防衛戦力?

ありがとうございます………褒められたと思って誇りますね。


………ところでですね…………。


援軍の中にもの凄い美人g…………やめて! そんな蔑みの目で見ないで………。


ちょっと目が合っただけで………はい? 気のせい? …………彼女は僕のことなど気にしない? ………しっ! 失礼な!!

っで………彼女は? ………はい? トレント? 精霊? ………〝オーカ様〟って言うんですか………。



ってことは………あの美女………うちのドラゴさんと同類みたいな存在なんだ…………。

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