第13話 呼び出し? ………いえ、拉致です!


お久しぶりです。

ルークです。


〝ガコン!!〟


アウチッ!!


舗装されていない道を走る馬車は………ある意味、凶器だと思う今日この頃。

後頭部をぶつけた僕は……小さく悲鳴を上げた……。


そう僕は今、誰の指示でどこに向かうのかもわからない馬車に乗っています。



※※※


ことの発端は、今日もで〝常夜の森〟入り口で薬草集めをしていたところ………突然、覆面の集団に囲まれました。

総勢15人。


すぐさまドラゴさんが計量カップから飛び出し、


〝ぬぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!〟


っと叫んでくれたが………


あれ? 誰も倒れない………?

何か対策している? 

………ってことは……あぁ……そう言うことね………。


その時点で、この人達は僕を狙って囲んだことを理解。



「抵抗しなければ危害を加えない。大人しくついてきてくれ」



これは……言うこと聞くしかないなぁ………。

抵抗せずに……そのまま捕まりますか………。

怪我したくないし………あっ、やっぱりドラゴさんは没収なのね………。

一応、手荒なことはしないと確約をいただくが……信じていいものか………。

没収される前に、最悪逃げるようにと小声で指示しておいた。


そのまま連れて行かれた先には馬車。

窓一つない真っ黒塗りの馬車………一度だけ見たことがある………。

村で盗みを働いた賊を街から迎えにした馬車にそっくりだ。


あれ………もしかして………僕……何か犯罪を犯した?


軽くパニックになっていると、「悪いな!!」と言う一言と同時に視界が暗くなる。

多分、袋か何かを被せられたのだろう………びっくりして少し抵抗するが、お構いなしに馬車へ押し込まれ両手両足を拘束された。


そして、冒頭へと戻るのだが………。


しばらくガタゴトガタゴト揺られたら、一度馬車が停まった。

聞こえてくる小さな声に耳を澄ませると、どうやら街へと戻ってきたみたいだ。


助けを求めようとしたが………首元に何かを当てられ、「声を出すな」と小声で注意される。

同乗者がいるとは思ってなかった僕は………「ひっ!!」っと小さい悲鳴をあげてしまう。


悪かったね……ビビリで!

まだまだ、駆け出しの冒険者なんだよ……こっちは!


結局、助けを求めることもできず、馬車は走り出すのだった。


………。

…………。

……………。


そこからしばらく揺られ、どうやら目的地に到着。


急に浮遊感に襲われる………多分担がれたのだろう……。


ぼ……僕は荷物じゃないですよ!!


っと主張したが無視されました………。

そのまま運ばれて、椅子だと思われる物に座らされると急に視界が開けた。

急に視界が明るくなり、目をシバシバしていると……目の前に一人の美女が立ち塞がった。


顔を向けると、その美女は………



「魔術師ギルドへようこそ!!」



っと、僕に満面の笑みを浮かべたのだった……。

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