第12話 ぼっち冒険者(ソロではない)


こんにちは。

ルークです。


試験から3日後。今日も今日とて薬草採取。

で薬草採取……。


片手に鎌で……片手に計量カップ……このスタイルが板についてきました。


冒険者? なれましたよ……一応………。

でも、ぼっちで活動中……ソロではありません。

ぼっちなのです………。


試験での出来事が広まり………誰もパーティーを組んでくれないのです………グスン……。

いつ叫ぶかわからない〝マンドラゴラ〟を従魔にしている僕とは……怖くてパーティーを組めないそうだ……。


いや、ドラゴさん……僕が指示しないと叫ばないよ!

って、説明しても誰も聞いてくれなかった……。


厳つい冒険者さんからも……流石に「パーティーは……ごめん」って言われましたよ……とほほ……。



仕方ないので、ぼっち活動です………。



うん? あぁ……はい……ぼっちじゃないですね。

ドラゴさんがいますもんね……。

そんなに胸をそらすと……計量カップから落ちますよ………。


計量カップの土の上で、器用に胸をそらしているドラゴさん。

そんなドラゴさんは……先ほども言いましたが、僕の従魔ということになりました。


従魔なの?

って思ったけど……従魔として登録しないと……突然、狩られても文句言えないそうなんです……冒険者怖い!


そんなこんなで今日のお仕事終了です。


冒険者ギルドで換金後、ギルド併設の図書館で勉強です。

そこで、薬草、魔物、魔獣………そして〝マンドラゴラ〟について調べるのが日課となりました。


すぐに宿屋に帰っても……ぼっちでご飯……ぼっちで宿泊が……寂しい……寂しい訳ではないんだからね!! ………グスン……。


色々しらべてわかったこと……マンドラゴラって〝生える宝石〟とか、〝逃げる宝石〟、〝死の宝石〟って呼ばれるんだって……。


もうね……めっちゃ高級品で……高値で取引されてるんだって……。

特に魔術師とか薬師の間で……。


僕……ずっと宝石を肩に乗せ……計量カップに入れて……不用心に手で持って歩いていたんだ……。

襲われても文句言えなかった……従魔登録してよかったよ……。


でね……やっぱり、あの絶叫は身体に悪いらしい……間抜けな叫び声だけど……。

よくて錯乱、失神……最悪、心臓停止だって……。

だから、みんなバタバタ倒れてたんだね。


それを僕が平気なのは……〝マンドラゴラ耐性 Lv.MAX〟が働いているからみたいだ。

まぁ、耐性が無くて……僕も毎回倒れてたら……笑うこともできないよ。


〝パタン〟と本を閉じて、元の場所に戻す。


さて、今日の勉強も終了。

宿屋に帰って、サクッとご飯を食べて寝るとしましか……。



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