第9話 初収入を得ました。


これの買取をお願いします!


「………無理です……。」


僕が子供だからですか?


「………違います……s……」


僕が冒険者ではないからですか?


「いえ……違います……d……」


じゃぁ! なんで!?


「チッ……ですから、ここは受付カウンターなので、買取は向こうのカウンターになります!」


すっごい美人の受付嬢さんが……苛立ちを隠さず舌打ちをしつつ答える……。

………あっ………なんかすみません……。


謝りつつ……スゴスゴとへ移動する。

カウンターには、すごい髭を生やした筋肉だるまがいた………。


……面白いやりとりだった? ………見せ物ではないです……。

……そういうな? ……言うに決まってます……全く。


とりあえず……これを買い取ってください。


僕は延棒ローラー抱きつき魔ハギングウルフの牙と魔石をカウンターに出した。


冒険者登録されてないから……換金率が悪いけどいいか……って?

仕方ありません。 換金しないと……街中で野宿になってしまう……。


それらはすぐに換金され、そこそこいい値段だった。


厳つい冒険者の話だと、冒険者になるにもお金が必要なそうで……。

その金額を抜いても、宿に3泊飯付きで泊まれる金額だった。


僕は再度、受付カウンターへと向かう………先程のお姉さんの所しか空いてない………。

仕方なく、彼女の下へ向かう。



あ、あの………。


「なんでしょうか?」


冒険者登録をしたくて………。


「こちらに書き込んでください」


わ、わかりました。


……。

………。

…………書き終わりました………。


「チッ!」


えぇ〜! また舌打ち!?


何か……不備でもありましたか……?

スキル欄の〝マンドラゴラ〟ってなんだ?

………えっと、〝マンドラゴラ〟は〝マンドラゴラ〟です。


「チッ!!」


また! 舌打ち!?

いや……本当なんです……そのスキルのせいで……家を追われて……森で野宿して……やっとこさ街に到着して……お金がないから………冒険者に………グスン……。

冒険者になれないと……グスン………飢え死にして……グスン……。


思い出すと……ちょっと悲しくなってきた……。


あぁ!! 謝らないでください。

普通……スキルが〝マンドラゴラ〟って、いきなり見たら……ふざけてると思いますよね……。

僕だったら思いますよ! だからお姉さんも気にしないでください。


頭を下げてきた受付嬢を前にワタワタとしてしまう僕。

なんとか受付は終了したのだが………試験とやらがあるらしく……早くて明日らしい。

それを受けないと冒険者になれないそうだ………。

残念………。


とりあえず、気を取り直し……僕は受付嬢にお礼を言うと、冒険者ギルドを後にするのだった。



⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

※こちらもよろしくお願いします。


それ行け! 僕らのトレント団!!〜某国王子がもらったスキルは〝植林〟でした。まぁ、普通に追放だよね(笑)〜


https://kakuyomu.jp/works/16816700427598285266

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