61.特攻騎士集合

61-1

最初の家族が到着してから3日後、4人の騎士が屋敷を訪ねてきた

「オリビエ!騎士の人たちが来た!」

来客に気付いたロベリが見に行ってすぐに食堂に駆け込んできた


「騎士?」

首を傾げながらロベリに引っ張られながらエントランスに出ると、4人の騎士が並んで立っていた


「あ、ひょっとしてマロニエが呼び寄せた?」

「はい!突然来て申し訳ない…」

「気にしないで。ロベリ、マロニエのお友達だから起こしてきてくれる?」

「分かった」

ロベリは頷いてから階段を駆け上がっていく


「マロニエまだ寝てるみたいなんです。皆さんは朝食は済まされました?」

「俺は済んでます」

「俺はまだ…」

「俺も…」

「良ければ一緒にいかがですか?コーヒーもお淹れしますよ?」

「ああ。じゃぁお言葉に甘えて…」

4人は少し戸惑いながらもついてくる


「何だ、お前らか」

ロキが食堂に入ってきた4人を見てつぶやいた


「く、クロキュスさん!?」

何故か声が裏返っている

何かあったのかしらとロキを見ると、首をかしげて返された


「本当にいた…」

震える声で続けられたのはそんな言葉だった

「お前俺を何だと思ってんだよ?」

呆れたように言うロキに笑ってしまう


「空いてる席にどうぞ。サンドイッチなのでお好きなだけ召し上がれ」

コーヒーを人数分用意しながら言う


「オリビエのサンドイッチ美味しいよ!」

コルザが頬張りながら言う


「口に入れたまましゃべらないの。リラがマネするでしょう」

「ふぁーい…」

カメリアに注意されたコルザはシュンとうつむきながら黙々と食べ続けた


「スゲー美味い」

「よかった。遠慮なく召し上がってくださいね」

「クロキュスさんいつもこんなの食ってんすか?それにどういう関係…?」

「…こいつ俺の嫁」

「「「「えー?!」」」」

そんなに驚くことだろうか?


「オリビエです」

逆に驚きながらとりあえず名乗る


「オリビエって…あの、家族がお世話になったそうで!俺、コニーって言います」

名前を聞いていたのか突然頭を下げられる


「気にしないでください。みんなで楽しく過ごしてただけですから」

「でも本当に喜んでました。最低限必要なものもほとんどタダで揃えられて助かりました」

「うちも年の離れた妹たちがもうお友達が出来たのってはしゃぎっぱなしみたいで…俺はハンスです」

「妹たち…ルチアとミーア?」

コルザが顔を上げた


「ああ。君は…」

「僕コルザ。さっき迎えに出たのが弟のロベリで、こっちは妹のリラ」

「私はこの子たちの母親でカメリアです」

「あなたがカメリア…母と妻のミモザがお世話になって。友人を連れてきてくれたと喜んでました」

「私も同年代の友人が増えて嬉しいわ」

カメリアとハンスはそのまま話し続けていた


「お前ら来たか」

マロニエがロベリを肩車しながらダビアと入ってきた

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