58-4

「それと、明日、物を揃える前にギルドで住民登録を済ませた方がいいわ」

「住民登録は早めに済ませるつもりだが…何か理由でも?」

「今回の人の大移動に合わせて、色んな人がまだ使えるもので不要なものを持ち寄ってるのよ。そこにあるので必要なものがあったら自由に貰ってこれるの。だから先に見ることをお勧めするわ」

「結構いいものもあったりするのよ?私も持って行ったんだけど、それ以上に持って帰ってきちゃった」

「俺なんか友人と物々交換になったぞ」

どうやら持って行ったときに互いに気に入り交換して帰ってきたらしい


「それは助かるな。全て買いそろえてたら大変だと思ってたんだ」

「そうね。とりあえず揃えて徐々に買い直していくのもいいかもしれないわね」

「僕も行っていい?」

「いいに決まってるだろ。ただし俺らは荷物持ちだろうけどな」

トマスの言葉にマシモが返す


「荷物運ぶなら台車を持って行くといい。ウー裏から1台取って来い」

「分かった」

ジョンの言葉にウーが走って行った


「よろしいのですか?」

「ぼろい台車だが荷物を運ぶのには問題ないさ。用が済んだらまた持ってきてくれればそれでいい」

「助かります。マシモ引いていけるか?」

「大丈夫だよ」

マシモは大きく頷いた


「これだよ。丁度いいから料理乗せてったら?」

「そうだね。トマス乗せてくれるかい?」

「うん」

トマスはベッキーから料理を受け取り台車に乗せた


「とにかく色々助かった。これからよろしく頼む」

セオドアがそう言って4人は帰っていった

ウーとブラシュも知らない町のことが知れると喜んでいたためいい関係を作って行けるだろう


「さて、次は私たちの夕食ね。何か希望はある?」

「肉!」

即答したダビアをジーっと見る


「バーベキューは?」

「そうねコルザ。それならダビア希望のお肉もたくさん食べれそう」

「…オリビエがこえ―んだけど」

「自業自得」

「いい加減学習しようよダビア」

ロキだけでなくブラシュにまで言われてダビアは苦笑する


「まぁいいわ。みんなで準備しましょうか」

そう声をかけるとそれぞれに動き出す

時々バーベキューをするようになってからはジョンが庭にガゼボのような場所まで作ってしまった

そのそばにはコンロを置く台まで作られていて至れり尽くせりだ

中央には大きなテーブル

それを囲う様に設置されたベンチの前には長方形の天板を付けたテーブルが等間隔で設置されている

しかもそのテーブルの高さは様々なものがあり一番低い場所はコルザとロベリの指定席だ


私とカメリアが食材を切って持って出るとすでに炭が熾されていて、ジョンとオリゴン、ナハマは飲み始めていた

「相変わらずね」

「本当に」

2人で笑いながら食材をテーブルに並べるとバーベキューが開始された

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