52-2
「皆様に私のステータスを開示させていただきます」
私は何の操作もしていないオリジナルのステータスを閲覧権限を解除して開示した
「な…こんな数値は有り得ない…」
「90オーバーなんてあり得ないだろぅ…」
やっぱりこうなるわよね
「私は元の世界で高ランク冒険者でした。この世界と測定される項目や算出方法は異なります。でも共通する点があるものに関しては+50の補正がついたのだと認識しています」
「召喚された者のスキルは最高値である50となる。それを踏まえればその考え方が妥当か…」
ジャスマンが呟くように言う
「でもそれなら全て100になるのではないの?」
「+50はあくまで召喚者の補正値、それを引いた分は換算されたのではないかと。元の世界の最大値は60。すべてのスキルや数値は50オーバーしていました。その数値に83%をかけて端数5単位で切り捨てると妥当な数字になるんです」
「その辺りの確かなことは分からんが今の説明で納得がいった。しかしわからない点がある。ギルドに登録されるデータはなぜAランクとなった?」
シャドウはギルドの登録データも閲覧できるらしい
そう言えば迷宮に潜る前にも私のランクを口にしてた気がするわね
ま、別にいいけど
「これも召喚の影響だと思いますが…」
私は目の前でステータスの数値を書き換えていく
「なんと…!」
「これらの数値は表面上だけではなく、実力自体もその数値まで補正することが可能なんです。勿論表面上だけにすることも出来ますけど」
「変に墓穴を掘らないように実力も数値通りに抑えてたってわけだ。俺も聞いてびっくりした」
ロキの苦笑交じりの言葉に緊迫した場が少し和んだ
「このステータスを見ても解決しない疑問がある」
ヴォルビリスが言う
やはり気になるのはその点らしい
「迷宮の2階、ですね」
「ああ。魔力を封じられて武器もなく、レベル50を超える魔物を100匹以上体術で倒すなどありえない。たとえこのステータスをもってしてもだ」
ヴォルビリスの言葉は最もだと皆が私の方を見た
「私は元の世界で出会った冒険者に教わった技が使えます」
「その技とは?ステータスに反映しない技のようだが…」
「体の中を流れる魔力とは別のマナと呼ばれる気を、描いた魔法陣にのせて使う技です。こちらでは一般的でないようですが元の世界のステータスにはマナ操作と表示されています」
「マナ…何かの文献で見たことがあるな」
「そうなのですか?」
「ああ。拘束して魔法も封じたのに取り逃がしたものがマナという気を使っていたと」
その知られ方はあまりうれしくない気もするけど…
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