36-2

一通り取り出した結果、かなりの量の使えないものや置いておく必要のないものが出てきた

それを除いて整理しながら仕舞っていく

本棚はロキの希望でこの部屋に置いておくことにした

お酒は勝手に飲みそうな人間が沢山いるので、取りあえずインベントリに片付けておくことにした


「それにしても玩具まで…」

「あはは…何か捨てれないものは全部ほりこんでたから」

目の前にあるのは大量の玩具

ボールなどの外で使う者から積み木などの中で使うものまで、それこそ対象年齢も様々だ


「ガーデニンググッズはジョン達が使ってくれるかなぁ…でも庭って言うよりベランダ用なんだよね」

あくまで少量を小さなスペースで楽しむためのもので、広大な場所用の道具ではないのだ


「とりあえず渡しといてやれば?小屋もあることだし」

「そうだね。ということで…」

私は応接室のドアを開けた


「皆きてー」

声を張り上げるとサロンやキッチンから集まってくる


「どうしたの?」

「なになにー?」

普段ないことだけに子供たちはワクワクしてるように見える


「ちょっと荷物の整理をしてたら色々出てきてね」

「色々?」

「そう。色々。だからこの中にいるものがあったら持って行ってもらおうと思って」

所狭しと並べたものを見て皆が目を輝かせた


「この辺が玩具、この辺からガーデニンググッズ、こっちは日曜大工の道具、この辺が家具やラック類かな。一応こっちでも使えるものだけにはしたんだけど」

「おもちゃいっぱいあるよ?」

「初めて見るのもいっぱい」

「でも遊び方わかんないのもある」

手に取りながら口々に言葉が飛んだ


「遊び方を考えるのも楽しいんじゃないか?」

「!」

ロキの言葉に子供たちが顔を見合わせる


「オリビエ、これ全部置いといてもいい?」

「いいわよ。ただし、置いときたいものはあなた達で遊び部屋に運んでね」

そう言うと手分けしながら我先にと運び始めた


「家具なんかは私たちが手伝うから声かけてね」

「ウー、こっちの窓際に荷台をもってこい」

「分かった」

ジョンが何をしたいのか理解したウーは飛び出して行った


「ジョン、その辺は使えそう?」

「初めて見たものもあるが…間引いた苗を捨てずに済むのは確かだな」

あぁ、なるほど

プランターに植え直すということか


「間引いた花の苗をプランターで育てればカフェにも置けるぞ」

「それは素敵ね。カフェが明るくなるわ」

ジョンはガーデニンググッズだけでなく工具も庭造りに使えそうだとごっそり小屋に運んでいった


「オリビエ、このラックもらってもいい?3段だし子供たちに1段ずつつ使わせたら丁度いいと思って」

「もちろんいいわよ」

「ありがとう。あの子たちお駄賃でもらった学習帳や絵本の置き場に困ってるみたいだったの」

「自分だけのものは大切にしたくなるもんだからな」

ナハマが笑いながら言う

私だけでなくジョンとロキも子供たちのお手伝いにはお駄賃を渡していて、その時に望むのはたいてい学習帳や絵本になるようだ


「その日の暮らしをどうしようって悩んでたのを考えたら、本当にぜいたくな悩みよね」

「それは私の方よ?」

「オリビエの言うとおりだ。俺だけじゃオリビエを抑えきれないからな」

「…ロキ?私を一体何だと思ってるのかしら?」

「じゃじゃ馬」

サラッと告げられた言葉に唖然とした私に皆が笑う

皆もそう思ってるということかしら?

まぁいいんだけど…

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