25-3
「ロキは何を買ったの?」
「俺?」
「5冊くらい持ってたでしょう?」
「ああ、迷宮品の図鑑とかだな」
「そんなのあるの?」
「結構古いからこないだ取ってきた果物とかは載ってないけどな。ただ…あのボールみたいなのがどれだけあるか分かんねぇし」
うん。それはちゃんと覚えといたほうがいいかもしれない
「適正価格は載ってないけど、レア度は書いてあるから多少参考にはなると思うぞ」
そう言いながら1冊取り出して渡してくれる
パラパラと中を見るとレア度が10段階で記されていた
「どの迷宮の何階でまでかは分かんないか」
「どんな魔物から出たかも含めて細かい情報は少ない。でもレア度高いのは情報料狙いのおかげか他よりは情報が載ってるだろ」
「本当だ。こないだのボールと牙は迷宮名まで載ってるね」
こういう本は見てると楽しい
「本棚に置いとけばダビア達も見るだろ」
「確かに。ダビアもマロニエも迷宮を気に入ってるみたいだもんね」
「あいつらは異常だからな」
「でもおかげで色んな肉や魚食べれるよね」
2人は迷宮や依頼を受けに行くと、必ず手に入れた肉や魚の一部を提供してくれるのだ
時々その日の夕食にとリクエストまでついて来るんだけどね
おかげでインベントリにはかなり豊富な種類の肉や魚が入っている
「最近食材に関する他の物も貰ってるだろ?」
「そうなの。すごく重宝してるよ」
調味料に類するものは期待に満ちた目で提供してくれる
その時には、どの迷宮の何階で入手したという情報ごと提供してくれる、というサービス付きだ
見返りはそれらを使用した料理という私にとっては有り難いものだったりする
どれだけダビア達が大食いと言っても、1回で消費できる量ではないんだけどね
「俺もそのおかげで楽しませてもらってるけどな」
「確かにそうだよね。2人が屋敷に住んでくれて本当に良かったわ」
子供達を安心して任せられるし、店で買えない食材も豊富に手に入る
カフェのメニューにも事欠かないので本当に大助かりだ
「こっち特有の食材で持て余してるのもいくつかあるんだけどね」
「カフェの客に聞いてみれば?」
「え?」
「元々こっちの物なら知ってる人もいるんじゃないか?別に知らなくても何かがあるわけじゃないし、聞くだけならタダだ」
「なるほど…その手があるか」
妙に納得してしまった
明日にでも常連さんに聞いてみようかと企みながら、気づいたら屋敷に着いていた
「ただいまー」
「「おかえり!!」」
コルザとロベリが飛びついてくる
「おっと…」
流石に2人の助走付きの勢いはきつかった
でもふらついた私をロキがしっかり支えてくれていた
「ありがとロキ」
「あぁ」
態勢を立て直したのを確認してからロキは先にサロンに向かった
「オリビエ見つかった?」
「あったわよ。文字の練習帳も数の練習帳も」
そう答えると2人は嬉しそうに飛び跳ねる
「サロンで出そうね」
「分かった!」
頷きながら2人は私の手を引っ張りながらサロンに向かう
「おかえりオリビエ」
「ウーが先に戻ってきて既にあの状態だ」
ジョンが呆れたように部屋の隅を見る
そこには床に寝転がって本を読むウーがいた
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