第29話

「「よろしくおねがいしまーす」」


 試合が始まった。


 あの自称妹と視線がぶつかり合う。


 あいつは余裕そうな顔をうかべていたが、それもすぐに崩れるだろう。


 だって、私は夕顔君に応援されているから。頑張ってって言われたから。


 私たちから打たれたサーブは防がれてしまい、スパイクを打たれるが私が防いで逆に私はあいつ目掛けて打ち返す。


 宣戦布告だ。


 ぼこぼこにしてあげる。


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 試合が始まり、あの女が私の事を睨みつけてきますが私はそれを余裕で受け流す。


 あなたなんて、余裕で捻りつぶしてあげます。


 だって、兄さんから頑張れって言われて手を振ってもらいましたから。


 それにこれに勝てば私は兄さんからご褒美がもらえます。

 

 負けるなんてありえませんから。


 相手から放たれたサーブをこちらがブロックして相手に返す。


 返したボールはブロックされ、あの女が私目掛けてスパイクを放つ。


 宣戦布告のつもりですか?いいでしょう。正直、相手をする価値はありませんが、後のために私が優位であることを体に教え込ませてあげますね?


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 二人とも、凄い。


 凄く阿呆みたいな感想だけれど、どちらも一歩も引かない熱い勝負で見ている人たち全員を引き込むような試合だ。


 それぞれのチームの中でも、目立っていたのが僕の妹である花蓮と、友達の桜木さんだ。


 もともと目立つ二人だけれど、一生懸命本気で勝負している姿に見入ってしまうし、それぞれのチームのエースなのか、二人につられてチームの動きも良くなっている。


 どちらが勝っても、何かお祝いとかしたいな。


 そんなことを考えつつ、勝負の行く末を見守る。


 そして、20対21。

 

 デュースになり、花蓮側が王手をかけた状態だけれど、桜木さんチームもまだ全然諦めていない。


 勝負が決まるかもしれないサーブが放たれる。


 お互い間違うことができない戦いの末、花蓮のスパイクが放たれついに試合が決着した。


 花蓮チームがこの試合では勝つことになった。


 正直、どちらが勝ってもおかしくはなかった。


 桜木さんは、天井を仰いで絶望した顔をしている。そして、花蓮はというとみんなに見えないように僕に手を振ってくる。


 花蓮にご褒美は当然あげるけれど、何か桜木さんにもしてあげたいな。


 頑張ってたし。

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