第22話

 えへ、えへへ。


「夕顔君、だいしゅき」


 今日の夕顔君とのデート楽しかったな。


 今日の事を振り返りながらベッドで悶える。


 夕顔君が選んでくれた服は絶対に、次に彼とデートするときに着ていこう。


 だけれど、あの時夕顔君は、他の女の事を少しだけ考えていたような気がする。


 例えば、あの女の事とか。


 あの妹の事だ。夕顔君が選んでくれたふくなら速攻でその服を選ぶだろう。私もそうだからな。


 他の女がどうだ、なんて私は知らない。


 夕顔君の意見は絶対だもん。


 私が、夕顔君の手を握るときすごく緊張したけれど、嫌な顔せずに、逆にすごく照れたような表情をしてくれて、私はすごくうれしくて、思わずその場でがくがくと震えて達しちゃいそうになったんだからね?


 本当に、夕顔君がそんな可愛い反応するから、私はおかしくなっちゃうの。あなたの一つの仕草だけで私は狂いそうになるくらい愛おしくなるの。


「うへへ、この手今日は絶対に洗わないんだ」


 家に帰ってきて、速攻ベッドへダイブして、そのまま夕顔君が握った手をしゃぶっていたので若干指がふやけている。

 

 それに、この手はあの夕顔君から握ってくれたんだ。それだけでこの手の価値は何倍にも膨れ上がる。


 正直、夕顔君から握られた瞬間、頭が真っ白になり何も考えられなかった。ただ、心からこの人の事が好きだと、愛しているんだという気持ちだけが溢れてきてしょうがなかった。


だけれど、夕顔君は気づいていなかったけれど私は気づいていた。


あの妹が私たちの後を付けていたことを。


だから、私は夕顔君が自ら手を取ってくれたのが尚更嬉しかった。


 あの女より私の事を優先してくれているんだという気持ちになって、ものすごい幸福感に包まれた。


「はぁ、早く結婚したいなぁ」


 早く、彼と結婚して子供を孕みたい。


 私と夕顔君の子だもん。女の子なら絶対に可愛いし、男の子なら夕顔君の血を受け継いでるんだもん。絶対に格好いいし優しいし素晴らしい男の子になるだろうな。


 名前は何にしようかな。女の子なら桜花とか?男の子なら咲空とか?

 

 夢が膨らむなぁ。最高。


 家はどこにしようかな。


 あんまり、騒がしいところは嫌だけれど、そこそこの利便性はあった方がいいから都市に近いところかな。


 夕顔君には、家で子供たちの面倒を見てもらって、帰ってきたら温かくおかえりって言って欲しい。


 夕顔君を働かせるなんてもっての外かな。だって、夕顔君を外に出したら他の雌猫が近寄ってきちゃうからね。


 その後も、私の妄想はとどまることを知らず膨らみ続けた。




 

 




 

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