第73話 金欲、酒欲、性欲

「えっと…早くフォーリアさんを外してもらえないですかね…。これじゃあ…僕、眠れないんですが…」


「コルトさん…えっと、ごめんなさい…。こうなってしまったら…、フォーリアの酔いがさめるまで多分離れないと思います…」


「そうですか…。それじゃあ…僕も汚れてしまった服を脱ぎたいので…手伝ってもらってもいいですか…。このままだとフォーリアさん…僕の汚い服にずっと顔を付けてる状態ですから…」


「分かりました…」


僕の着ている服はボタンで脱げるタイプだった…。そのため容易に脱げた。


「えっと…タオルをお願いします…だいぶ顔が汚れているので…」


「分かりました…」


フォーリアさんの顔を濡れタオルでごしごしと拭き取る。ちゃんと明日の朝にも顔を水拭きしてもらおう…。


「さてと…三部屋借りたは、いいものの…どういう風に分けたらいいの…」


「本当は…コルトさんと男性獣人さん達、女性獣人さん達、私達って言う風にしたかったんだけど…」


「フォーリアさんは僕から離れてくれない。から…どうなるの…」


「えっと…、コルトさんとフォーリア、男性獣人さんと女性獣人さん達、私達…って風になりそうです…」


「そうなるのか…。まぁ…僕はどこでも良いんだけど…」


しかし…子供たちが猛烈に反対するものだから、それぞれ好きな部屋に入るルールになった。


部屋もそれなりに広いため、入ろうと思えば皆で入れる大きさだ。


子供達の歯を磨いてあげたかったが、今日は難しいため他の4人に磨いてもらうようお願いした。


子供達はしぶしぶ4人の元へ向かい、歯を磨いてもらっている。


「はぁ…子供たちは素直に従っているのに…大人のフォーリアさんは何をしているんですかね…」


「う~ん…」


「気持ちよさそうに眠っちゃって…、あれだけ飲んだら明日大変だろうな…。って言うか何で僕は全然酔わなかったんだろう…。ちょっと酔ってみたかったけどな」


僕はベッドの上で横になっている。


「主~ エナも一緒に寝ても、い~い?」


「いいよ…ちょっと大きな子供が左側で寝てるけど…」


「やった~、エナも~ 主にくっ付いて寝る~」


エナは僕の右腕に抱き着き太ももで腕を挟んでくる。


これでもう…僕の右腕は動かせない…。


「マルも! 主様と寝ます! このふしだらな女に負けてられません!」


「み…ミルも…主様と…寝る…」


マルとミルは僕の足に抱き付いた…これで足も動かせない…。


――ああ…重い…身動きが取れない…。これじゃあトイレにも行けないな。普通に持ち上げれるけど皆寝ちゃったら、起こすのも可哀そうだし…。


よく見たら、子供達は皆んな寝間着に着替えてた。


いつの間に…。


僕は黒シャツとズボン…変な格好だな…。


フォーリアさんは下着だけ…って、いつの間にか下着も脱いでるし…。


ああ…僕は何も見てない…何も見てないです…はい…断じて見てません…。


ただ脱ぎ捨てられていた下着を見ただけです。フォーリアさんの裸体は全く持ってみてません

から。…でもよかった…、フォーリアさんが子供体型で…。ララさんみたいにふくよかだったら大変だっただろうな…。


でも…僕あんまりそいう言う感情…わかないんだよな…。何でなんだろう。別に女性の裸体を見ても何も感じない…、特に男が好きという訳でもない…。今までそう言う目線で誰かを見た覚えがない…見れた覚えもない。


やっぱり僕…性欲が掛けている…気がする…。ん…? お酒に強くて…お金に興味が無くて…女の人に何も感じない…。


何か…男を駄目にする…3つに当てはまっているんだけど…。いや…たまたまだよ…。


そうだよ…そうに決まってる。


もう寝よう…きっと思考が回ってないだけだ…。


僕は瞼を閉じて眠った。

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