第16話 ハルミはきめた
ミサキが進くんと付き合うようになってから、しだいにハルミの生活にほころびができるようになっていった。
春泉「はぁ……」
なんだか命をいただくことにさえ罪悪感を感じるようになり、朝は野菜ジュース一本だけであとは何も食べないで過ごすことが多くなった。
春泉「……ごちそうさま」
最近そういう人を見かけるようになったので、そのせいもあるかもしれない。ハルミも少し極端だと思った。だけどやめられなかった。
春泉「このままハルミ、幸せになれず死んでいくのかな……」
それは、結果的に正しかった。
♦
食べなくなった分の食費は恵まれない人のために寄付していくように。ハルミはこれが正しいと信じてやまなかった。
春泉「ハルミは質素でいい……たとえこのまま死んだとしても……」
そして、わたしは首を吊った。
♦
好きになれるものが少なくなっていく。人生ってそういうものだと思った。
春泉「ここって天国かな、それとも地獄かな……」
わからない。薄もやのかかった灰色みたいな景色。それでもハルミは進み続ける。
春泉「どうか、ここでシアワセに暮らせますように……」
願いながら歩き続ける。白く輝く未来に向かって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます