第8話 動物になってにゃんにゃんにゃにゃんにゃにゃん
未咲「進くーん、きょうは猫になってみたにゃん♪」
進「なんだか僕の就職がどんどん遠ざかっていってる気がするんだけど……」
行為にいたる前の準備はとっくにできていた。進くん全然乗り気じゃないけど。
未咲「だめ?」
進「うん、いまはちょっと……」
未咲「そっか、一緒にやっていくのも大変だね……いつならできそう?」
進「そうだね……もうちょっとしたら」
未咲「進くんそればっかり……ほんとにちゃんとやってるんだよね?」
進「もちろんだよ! だから待ってほしい!」
未咲「期待してるからね?」
何も起きないままきょうも寝ることに。夢の中で進くんは動物になっていた。
進「くぅ~ん?」
未咲(あっ、進くんだ)
仔犬の姿だったけどすぐわかった。できたらいまは猫になってほしかったけど。
進「くぅ~ん、くぅ~ん」
未咲「はいはーい、こっち来て、進くん?」
目線が低くなる。抱きかかえられたあと、進くんがおしっこする。
未咲「こんなにしたかったんだ……いっぱい出していいからね?」
進「くぅ~ん……」
間に合わなかった……そう顔でしっかり言ってくれたからちゃんと許せた。
未咲「あっ、わたしもおしっこしたい……あぁっ」
つられてわたしもおしっこしてしまった。濡れかたがおかしい。
未咲「あれっ、なんだか背中のほうまで濡れちゃってる気がする……」
そこで気がついた。だけど起きることができない。
未咲「えっ、進くん?!」
進「くー、くー……」
なぜか進くんがわたしのベッドの上で寝ている。そして少しあったかい。
未咲「これってもしかして……進くんトイレと間違えてわたしのところでしちゃったんじゃ……」
それにしても寝ぼけすぎ。まだ小さい犬がトイレの場所を覚えられないみたいに。
未咲「さすがにそれはやめようよ……わたしもやって恥ずかしいんだけど……」
むずがゆくなってたまらなかったのですぐに着替えることに。進くんも同じだろうし、しっかり着替えさせた。
進「なんかやっちゃってたみたいで……ちゃんとできたつもりなんだけど……」
未咲「それ夢の中での話だよね? こんなことになっちゃったよ?」
進「ごめん未咲ちゃん! まだ出そうだから話はあとで……」
未咲「もう、わたしの話ちゃんと聞いてよ進くん……」
どっちにしてもたいへんだった。ふたりで暮らすってこういうことなんだ……。
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