第7話 ちょい短:マッスル芸人
進「僕がやっておくから、ゆっくりしてて」
わたし入野未咲はキッチンに立つ進くんにまかせきりになって、ソファにくつろぎながらテレビを見ていた。
マッスル「どもー! マッスル芸人やらせてもらってますマッスル
フリップを作りながら説明するテレビに映る芸人さん。どこか懐かしく感じてしまう。それにしても、そっちの読みにしなかったのはなんでだろう……。
マッスル「マッスルこの前、トレーニングジムに行ったんです。そこでカップルかな? 男女ふたり組を見たんですよ。そしたらいちゃいちゃし始めて……『いやいやいや、ここトレーニングジムだから!』って思いながら見てたんです。そしたらですね、いいですか? キスしながらお互いに親指一本の腕立て伏せを始めたんです! マッスルー!」
決め台詞を言ったとたん、会場から拍手が湧きおこる。
マッスル「ありがとうございます! いやー熱い! こっちまでやる気になりそうでしたー! はーい……」
ならなかったのかな……尻すぼみになっていく速度がすごい……。
マッスル「はっ!」
決めポーズをする。この時間いる人にはいるんだろうな……ほとんど静かだけど。
マッスル「どもー! マッスル芸……」
繰り返しそうになったところで幕がおろされた。これなんだったんだろう……。
未咲「なんか怖いね、筋肉って……」
進「未咲ちゃん?」
未咲「ううん、なんでもない……きょうはもう寝ようっと……」
これからの人を見ると応援したくなる。まるで進くんを見ているようで。ちょっと疲れるけど……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます