設定集《4》

・『第末那識アル・フルカーン


ユウキがスキルポイントの前借をして獲得した固有スキル。発動時、瞳の色が赤くなる。

主に使い方は攻撃面と防御面で分かれ、以下の通りである。


攻撃面

生物や物体、現象に隙を与える能力。たとえ天と地ほどのレベル差があり、完全無欠と思われるような相手であろうとも隙を創り出すことができる。創り出された隙は彼にしか視えない〝線〟として具現化され、そこをなぞるように攻撃を加えれば致命傷および殺傷が可能。


また、相手を知れば知るほど具現化される線は太く視えやすくなり、殺しやすくなる。うまく嵌めることができれば格上相手でも一撃必殺が可能だが、実力差が掛け離れていた場合、初見で線を視ることは至難の技。


格下ならともかく、たとえ敵の動きを掻い潜ったとして、肉体に一撃を加えるのも難しいが、視線や動きから敵に読まれやすくなるという欠点がある。



防御面

自身の隙を隠す、あるいは逸らす能力。確実に死に至るであろう攻撃を喰らおうとも死を避けることができ、必中を込められようともズラすことができる。しかしダメージは当然受けることになるので、『常在戦場』同様、精神面の強さが鍵となる。



・『王剣』


この世に一〇八本あったとされるが、かつての戦争によって現存する王剣は四本のみ。その一つはエミネミが所有し、現在はユウキが所有。残りは大竜帝国、森人種エルフが所有し、もう一本は不明。


王剣の一人振りで戦況を変えることができるとさえ言われており、常に戦の中心にある聖・魔剣。所有者を選ばない代わりに、王としての素質がなければその力の数%も引き出すことができない。



・『吸血鬼の成れの果て』


《フィーナ》の町を実質滅ぼしたゾンビの群れは、ゾンビではなく吸血鬼の劣等種——屍食鬼グールである。基本ゾンビと同じ性質で違いは名称以外ほとんどないが、その起源は第六位魔王にもたらされる。


曰く、吸血鬼の王。この世に現存するたった一人の本物……真祖の吸血鬼であり、彼に血を吸われ、血を与えられた者は例外なく彼の支配下に堕ちる。


屍食鬼に噛まれ血を植え付けられた場合、当人も同じ屍食鬼へと堕ちる。彼らにとって噛むことは性行為と同じで、繁殖行為。失った自我を突き動かすのは性欲であり、男性の屍食鬼は女を、女性の屍食鬼は男を執拗に襲う。たまに例外も存在する。


屍食鬼グールに噛まれた場合、肉体の損傷具合にもよるが変性は秒読みで、遅くても一時間以内には屍食鬼に堕ちる。助かる方法は存在せず、エミネミのように何らかの力で進行を遅らせることはできる。唯一確かなのは噛まれた箇所の切断だが、一瞬の迷いもなくそれを実行できる精神力を持つ者は少ない。



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