第4話 宇宙人
「う、宇宙人!?」
少なからず過ぎった言葉だが、相手の口から言われたことで愛月はショックを受けた。
「そんな…、嘘でしょ?」
「僕の言うことが嘘なら、君と周囲との記憶のズレはなんて説明するの。」
「えっと…私が頭おかしくなっちゃったとか…?」
「…よほど他星人の事を受け入れたくないんだね。」
彼は呆れたように首を振った。
「昨日君が見たことは事実だ。でも、地球人に僕がこの
ここまで一息で言うと、東くんは頭を抱えた。
「ただの一般人なら君が言うように”頭のおかしい人”で片付けられるが、運の悪いことに君のおじいさんは天文学者…。彼には光が効いてるみたいだけど、君がこの事を話したらきっと記録に残してしまう!」
自分にとって都合の悪いことは黙っていれば良いものを、彼はバカ正直に説明し絶望していた。
「…つまり私が誰にも言わなければ良いって事だね?」
「うんそうだけど………ん?」
「他人に言わなければ済む話なら、私は言わないよ。おじいちゃんにも。むしろおじいちゃんにはUMA研究を諦めてもらいたいし。」
それを聞くと、東くんは険しかった顔をぱっと明るくさせた。
「本当かい!?凄く助かるよ!!」
彼は愛月の手を取り、嬉しそうにブンブンと振った。
「いやぁ、欲のない地球人も居るんだね!不幸中の幸いだよ!」
「…本当に東くんは宇宙人なの?」
愛月より少しだけ高い背丈、ハーフアップにしている髪はウエーブがかかった黒色で、アジア人のような塩顔と肌色。どこからどう見ても宇宙人には見えない。
「僕の生まれたケプラー452bという惑星は風土が地球に似てるからか、そこに住んでいる人類も見た目が似ているんだ。レプティリアンみたいに変身しているわけじゃないよ。」
「れぷ…?」
「あれ、知らない?有名な種だと思ってたけど。」
基礎知識だろうとでも言いたげだったが、そもそもUMA否定派だった愛月にとって、宇宙人はひと括りにしか考えられなかった。
「宇宙人って、皆同じ見た目じゃないの?頭と目が大きくて、体が小さい…。」
「あぁ、グレイのことか。確かに地球人にとっては馴染みが深いのかも知れないけど、彼らは過激思想の持ち主だから僕は好きじゃないな。人体実験ばっかしてるし。」
「…その言い方だと、東くんの惑星の人たちは人体実験しないってこと?」
愛月がUMAと遭遇する際に一番心配していたことだ。
「しないよ。道徳に反するからね。」
「良かったぁ〜!」
一番の不安要素が取り払われたので、愛月は胸をなでおろした。
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