第22話 投獄

 ​───────……のれ。




 己れ、己れ己れ己れ己れ己れ己れ己れ己れ己れ己れ……己れぇええええ!?



 何故、こうなった!?



 あの未熟な蘇芳すおうの宿主に、何故負けた!?




 何故……何故、何故ぇ!?




 何故……警察に連行されてしまったのだ!?




 我は……我は!!




 ただ……求めただけだ!!




 おおいなる力を……我が物に。




 我らの……悲願のために、求めただけなのに!!




 何故、牢獄へ?




 何故、縛られる!?




 我は……我の望むことへの一歩を進もうとしていただけで!!




 だのに、この仕打ちはどういう事か!?





「……三度聞きましたが、答えてください。あなたは、得ようとした力で何をしようとしていたのですか?」




 同じ問いかけをしてくる……異種族の警官。


 顔も手足もない……幽霊より厄介な、『透明人間』。


 顔色を一切わからせないので……服装でしか存在がない。


 非常に……面倒な連中だ。


 だが……答えるつもりはない。



「……聞いて、どうする?」


「職務上、この問いは必要ですから。……ああ、もしくはこちらが言いましょうか?」


「なに?」


「『魍魎もうりょう』の一員ですか?」



 警官の言葉に。


 牢獄越しだが……体を震わせてしまった。


 何故……その答えに辿り着いた?


 あの蘇芳か?


 見通す力を……貸し与えたのか?


 であれば、こいつの回答の理由にはなるが。



「……そうだとしたら?」


「……全力で吐かせますよ?」



 顔が見えないのに、笑い声が不気味だ。


 警察とやらは……民間人に近くても、手段を選ばない輩ばかり。


 ここまでか……と、諦めるしかないのか?


 何か、秘策を考えようにも。


 力を奪う、この特殊な牢獄では……脱獄も出来ん。


 それに、警官は我を逃そうとはしていないのだから。

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