第十二話
「結果発表〜!!」
と柊がどこかで聞いたような台詞を口にする。テンション高いのは良いけどその台詞はやめとこうぜ。
そもそもなぜ俺が昼休みに柊と一緒に居るかというと丁度三人ともテストが終わっていた為昼食ついでに点数を見せ合えば良くない?って事らしい。それで柊に屋上に連れてこられた。
「……じゃあ誰から見せるんだ?」
そう翠が切り出す。
「僕からで!」
柊が勢いよく手を上げる。というかコイツがいる時点で勝負決まったも同然じゃね?
「ちなみに僕はこんな感じ。」
といって柊は百点満点のテストを見せつけてくる。
「「でしょうね。」」
俺と翠が声を揃えて言った。
「たまたまだよ〜。」
そういって柊は少し笑いながらも謙遜する。
「いや、たまたまで取れる点数じゃねぇんだわ。」
そしてそんな柊にすかさず翠がツッコミを入れた。
「いや、まぁ僕のはいいとして、次!楓は?」
ゔぐっ……遂にこの時が来てしまったか。俺は渋々二人にテストを見せる。
「……ん。」
ちなみに結果は百点満点中五十点。なんともいえない点数である。
「おっおお〜?」
と柊がなんともいえないといったような反応を見せた。気持ちは分かるけど言葉を話せよ。
「うわ、微妙だな〜(笑)」
そういって翠はバカにしたように笑いながら煽ってくる。なんだろう、自分でいうのは良いのだが他人に言われるとムカつくこの現象。
「じゃあお前はどうだったんだよ?そこまで言うなら見せてみろよ。」
そして俺は若干キレ気味(?)に返す。
「りょーかい。」
と翠が気の抜けた返事をした後、
「ほい。」
そういってテストを見せる。点数は……
はっ…八十九点?!
「えええええ!?」
俺は思わず大声を出した。今年一番驚いたかも知れない。
「ジャーン☆」
そういっては翠が可愛らしい笑顔を見せる。いやまぁ顔はいいんだよな。……じゃなくて。
「翠って頭いいんだね〜。」
俺が驚いている中柊がのほほんとした口ぶりで翠を褒めた。
「褒められてはいるんだろうけど雪璃が言うと嫌味にしか聞こえないな。」
「えーちょっと酷くない!?別にそんなつもりじゃなかったのに!」
……まぁ翠の言い分も分かる。取り敢えず、
「いくら何でもカンニングは良くないぞ。」
カンニングとしか考えられないよな、うん。(切実)
「スッー……オレがぁ、カンニングなんてすると思う?」
「「うん。」」
「おい、雪璃裏切ったな!大体オレはそんな小さいことするような男じゃねぇの。……ということで楓君。」
「ジュース買ってきて?」
と翠が上目使いでおねだりをする。可愛いなオイ!!
「あはは……」
雪璃はそうやって苦笑いを浮かべた。結局二人に完全敗北した俺はジュースを奢らされたのであった。
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