第5話 キジ

「お供も二匹見つかったし、そろそろ鬼ヶ島に攻め入るか」と桃太郎が言った。


「桃太郎様、どのような作戦で鬼ヶ島を攻めるのでしょうか」と猿が尋ねた。


「正面から乗り込んで、全員倒すだけだ」桃太郎は悪びれることもなく言う。


「それは作戦ではありません」ため息を漏らす。


「僕は桃太郎様がやるというなら何でもやりますワン!」


「作戦を立てるには、敵を知る必要があります。私の調べたところによると、鬼ヶ島にいる鬼はおよそ40人。戦闘可能な人数は30人ほどでしょう。対してこちらの戦力は1人と2匹、劣勢です」


「俺がいれば100人力だ。問題ない」と桃太郎はこともなげに言う。


「その計算だと勝てますが、多勢に無勢の状況に正面から攻め込むのは得策ではありません。奇襲が必要です」


「確かに、一理はある。しかし島なんだから正面から行くしかないだろう。何か作戦があるのか?」


「キジをお供に加えるのです。キジには不思議な力があります。キジの力で島への上陸を隠蔽するのです」


こうして桃太郎は猿の助言に従ってキジをお供に加えた。

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