第4話 犬

「次は何をお供にするか……」


桃太郎がつぶやいた。


「お供にするならば犬がいいでしょう」


猿が答える。


「なぜ犬なんだ。俺はもっと強いやつをお供にしたいんだ。熊とかどうだろう。やつなら戦力として期待できる」


「熊はきび団子でお供にはなりません。犬ならば、僅かなきび団子で忠実なお供になるでしょう」


「……犬かあ」


桃太郎はしぶしぶ、犬をお供にすることに同意した。


犬は猿の言う通り、きび団子で喜んでお供になった。


「桃太郎さん!きび団子ありがたく頂戴します。この御恩は忘れません。どこまでもお供します!」


犬はくるりと丸まったしっぽを振って、桃太郎についてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る