第3話 猿

桃太郎は虎を諦めて他のお供を探すことにした。


桃太郎は山で猿を探す。


「そこの猿。俺のお供になって鬼ヶ島を攻めないか」


桃太郎は木に登っている猿に向かって言った。


「お供になると何がいただけるのでしょうか」


猿は木から降りてきて、桃太郎に尋ねた。


「この団子をやろう」


「たかが団子で、凶暴で屈強な鬼と戦うのは割に合いません」


「そんなことを言われても団子しかない」


「いまは何もないでしょう。しかし計画通り鬼を退治した場合、鬼の持っている金銀財宝が手に入りますよね」


「そうかもしれん」


「それでは、その金銀財宝の3割をいただくという約束でお供になりましょう」


「……3割というのは、ちょっと多くないか」


「いえいえ、妥当です。もし虎でも仲間にいるのなら、勝算は高いですしリスクは低いですが、いまのあなたにはお供がひとりもおりません。高いリスクを取るのなら、それなりのリターンが必要です」


「……そういうものか。まあいい、ではその条件でお供になれ」


こうして桃太郎は最初のお供を手に入れた。


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