第6話 齷齪(あくせく)

千桜と帰った日の夜、俺は自室のベットの上に寝転んでいた。

帰ってる時に感じた違和感、どうして千桜は俺にすごいと言ったのか。

その意味がどうしても分からず、ずっと考え込んでいたのである。

それにあの時、千桜は少し焦っているようにも思えた。

『何に焦っていんだ?』

先ほどからその疑問が頭の中でぐるぐる回転している。

『明日にでも聞いてみるか』

そう思いとりあえず今日は眠りにつく。

軽い感じでそんなことを思ったことが大事になることも知らずに…。





翌日。俺は皇が犯人である証拠を集めるべく、

学校の友達に協力を呼びかけていた。

いつものメンバーに協力を呼びかけ、そこからどんどん枝状に伸ばしていく。

典型的だが、効率的な作戦だ。

同時に千桜に一緒に帰るよう誘う。

しかし断られてしまった。

昨日なぜあんなことを聞いたのか聞いてみたかったがまぁいいか。

そんなことを思いつつ俺は作業を進めた。

家に帰り、夕飯を食べ、ベットの上に寝転んでいると

「そうちゃーん千桜ちゃんから電話ー」

と言う声が聞こえたので

「はーい!」

とそう返事を返し、受話器の方へ向かった。

ちなみに今時は家電がない家庭も多くあるが、城田家は置いてある家庭だ。

そんなこんなで電話に出てみると

「城田君、こんばんは」

割といつも通りの声でそう言ったので

「こんばんは」

とそう返す。

「どうしたのこんな時間に」

俺がそう聞くと

「城田君にお願いがあって電話したの」

そう返ってきた。

なんだろう。

そんなことを思いつつ

「そのお願いって?」

と聞いてみる。

すると千桜は少し緊張したような声で

「私と友達になってくれない」

そう聞いてきた。

一瞬のことですぐに理解ができず固まっていると

「じゃあ、また明日!」

そう言って切ってしまった。

あんなにしっかりしてそうな感じの子でも恥ずかしがる時があるんだなぁ。

少し和んでしまった。

そんなこともあり、その日はなんの考えを巡らせることもなく眠りについた。

翌日、その日は小学校の終業式だった。

これで夏休みに入るところなのだ。

周りの子は、夏休みに入れる楽しさに目を輝かせていたが、俺は情報収集に支障が出るため少しガッカリしていた。

「今日、一緒に帰らない?」

千桜がそう聞いてきた。

「いいよ」

昨日の件で話したいこともあるし、いいだろう。

そうして千桜と一緒に帰ることとなった。




そして放課後。あらかじめコツコツ教科書などを持ち帰っていた俺は、特に重い荷物を持つわけでもなく、普通のランドセルのみで帰っていた。

ちなみに千桜は隣にいるが、話しかけてこない。

「昨日のことなんだけど」

聞いたのは俺だった。

痺れを切らしてしまい、俺が先に聞きたいことを聞いたのだ。

「う、うん」

「友達になりたいって、どう言うこと?」

俺がそう言うと、千桜は困った顔と同時に不思議な顔をした。

「どう言うもなにも、友達になろうって話だよ?」

…え?

本当にそれだけなのか?

いや、でも相手は小1か…。

どうやら深く考えすぎてしまったようだ。

「…いいよ」

「ほんと?」

「うん。これからよろしくね、千桜」

「よろしくね、宗佑君!」

こうして俺と千桜は友人になった。











どうもこんにちは、若者です。

投稿が遅れてしまいすみませんでした。

文化祭など色々重なってしまい、投稿が遅れてしまいました。

これで小1編はおしまいです。

ここから結構時系列が飛ぶので、落ち着いたらまた時系列確認まだしていこうと思います。

それでは、また第七話で会いましょう。

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