第3話 入学式

朝食を堪能した後、俺は親の車に乗って自分の通うことになる小学校まで来ていた。

『さて、まずはこの入学式をいい感じに終わらせるところからだ』

そう思いながら辺りを見回す。

やはり子供、親の手をしっかり繋いで仲良さそうに歩いている。(俺もそうなのだが)

ざっと見回していじめてきそうな子はいなさそうだ。

よかった、一番心配していたことがなくなる。

そう思っていると入学式が始まった。

何度も経験しているが始まりというのはやはり緊張するものだ。

俺を突き落としたあの子をどう調べようか考えることで気を紛らわせているうちに入学式が終わった。

入学式が無事に終わり俺は今は自分の教室にいた。

どうやら自己紹介があるようだ、色々考えすぎて考えるのを忘れていた。(大体が学校でうまくやっていけるかの心配だったが)

ともかくそれぞれの自己紹介が始まる。

自己紹介はどんどんと進んでき、すぐに俺の番になった。

子供っぽい自己紹介をしなくては、そう思い必死で考える。

こういう時に思考加速が役に立つ。

即興の自己紹介が一瞬で思いつく。

「城田宗佑です、好きな食べ物はカレーです。

よろしくお願いします!」

当たり障りのないようにしてはみたが、どうなるか。

そう思っていたら拍手が起こった。

それは挨拶が終わった後に行う拍手だった。

つまり俺の挨拶は無事に終わったということだ。

『よかった』

心の中でホッと息を吐いた。

自己紹介も終わり、これから帰ろうとしているところで、1人の女の子に声をかけられた。

「私、間宮千桜って言うの、あなたは?」

そう言われ、俺はドキッとした。

なぜならこの子、ものすごく可愛いのだ。

あの二人も凄かったが、この子も負けず劣らずの美少女だった。

「城田宗佑です。よろしくね、千桜ちゃん」

まずい、俺が言うと犯罪っぽく聞こえる。

「千桜でいいよ」

「じゃあよろしくね、千桜」

「うん、よろしく!」

笑顔でそう返し、その子は去っていった。

間宮千桜ちゃんか…。

今後とも仲良くしたいものだ。そう思いながら俺は家に帰った。








皇 尊(たける)はベットの上で考えていた。

自分は人生で初めて殺人を犯した。

満員に近いホームの中、一人の男性を突き落としたのだ。

『あの感覚はそうそう忘れられないな』

そう思いながら尊は体を横に倒した。

もう少しだけこの余韻に浸っていたい。

そう思いながら尊は眠りについた。

自分の殺した男のことを考えながら…。










入学式の翌日の朝、俺はいつも通り家族と朝食を食べていた。

そして不意にテレビに目を向けた。

「先日、〇〇駅のホームで人身事故が起きた事件で、警察が殺人の容疑で逮捕したのは、

自称社会人の坂本 優馬容疑者で…。」

なに!?

それは俺が殺された事件だった。

『違う!!、こいつじゃない!!』

そう、彼は俺を殺したあの子ではなかった。

どうやら予想以上に厄介なやつだったらしい、

そう思っていると干渉しないと言ったはずのあの二人の声がした。

『予想以上に手段が巧妙だったようです。

何らかの方法で全く別の人間に罪を着せているようでした。これはなかなか長期戦になるかもしれませんよ?』

上等だ、俺はあの子を絶対に見つけ出す。

あの子の未来のために。…俺の自己満のために。

こうして俺とあの子との長い戦いが始まった。










どうも、作者です。

色々出てきてわからないという人用に、ネタバレにならないように簡単な今の状況を話します。

まずは皇尊君から、読み方は「すめらぎ たける」です。

平井裕斗もとい城田宗佑の今の所の最大の敵です。

ちなみに坂本優馬君はもう出てきません。

間宮千桜ちゃん、この物語のメインヒロインです。

城田宗佑(平井裕斗)君、この物語の主人公です。

自分の欲望を叶えるという目的の元動いて、二人の男女から運動能力向上と処理速度増加の加護をもらっています。

と、こんなところです。

またわからないことがあれば、コメント下さい。お応えしますし、喜びます。

では、また第四話で。

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