第十六話 堅牢の国

白虎獣神国の王子、エイスを操っていた強欲の魔王を倒した龍星達、次の魔王は堅牢の国、玄武守護王国の最北端の島にあるダンジョンにいることを配下の淫魔がそこに行くまでの地図を置いていった。

だが、また何の情報もなしに挑んでは今回みたいにリディアの知らない魔王のEXスキルで翻弄されてしまう可能性がある。

だから、八魔の賢者が何かしらの情報を持っているかもしれない、先ずは八魔の賢者に会いに行く為にも一行は玄武守護王国に向かうのであった。


そして乗合馬車に揺られながら数時間してようやく辿り着いて龍星とエリスは驚いた。


龍星「万里の長城かよ」

エリス「あれより立派だね」


玄武守護王国を囲む様にものすごく長い城が国境沿いまで続いていた。それは正に中国の万里の長城みたいだった。

流石は堅牢の国と言われるだけはあった。


龍星「でも何であんなに高くしてるんだ、戦争してるわけでも無いだろ?」

龍星が疑問を漏らすと


ティア「それはね、玄武守護王国が大陸一のダンジョン大国だからさ」

そうティアが答えると


エリス「ダンジョン大国?」

エリスが頭に?を浮かべる


アメリア「玄武守護王国は大陸一の国土を保有しています。それ故に、そこで見つかるダンジョンの数も大陸一です。またそれなりの難易度の物もありますから、まだ未到達の階層には宝や珍しいモンスターや武器防具の類いがあるかも知れないと言うことでもありますので、大陸中から冒険者が集まるのです。私達がこれから向かう「淫獄の迷宮」も保有ダンジョンの内の一つです。ですが、稀にダンジョンから魔物が溢れ出て来て街や村を襲うことがあり、そう言う現象を私達は大暴走(スタンピード)と呼んでいます、そして王都は国の最後の砦ですので万が一魔物の大群が来ても時間を稼げる様にあの様に高く作っているのです」

と、アメリアが詳しく説明してくれた。


つまり玄武守護王国は主にダンジョン産業で成り立っている反面、常に魔物の脅威が国中にある為、あの様に大きく作ったというわけか。


検問所を抜けて王都に入るとそこはまるで中国の繁華街の様に賑わっていた。


龍星「ものすごい賑わってるな」

エリス「何かのお祭り?」

アメリア「いえ、いつもこんな感じです」

ティア「ダンジョンのお陰で国も潤ってるのも事実だから、これくらい賑やかなことができる余裕があるってことさ」


魔王の脅威があるのに、この国の人達はとても楽しそうに笑っている。何故だろう、不思議なことだ、"守りたい"と思ってしまった。


龍星「それでアメリア、八魔の賢者ってのはどこにいるんだ?」

アメリア「それなら、もう見えていますよ」


アメリアが指さした方には韓流時代劇などでよく出てくる皇宮殿とか呼ばれる立派な城が見えた。


エリス「あれってお城だよね、ねぇ、もしかしなくても八魔の賢者様って王族なの?」

エリスが尋ねると


ティア「うん、そうだよ、八魔の賢者様はこの国の皇女様、ソフィア=ガード様だよ」

ティアが何事でも無い様に答えた。


龍星「はぁ」

今度は皇女かと、龍星はため息をついた。


リディア(マスターのハーレムメンバーがまた増えますね♪)


リディアのからかいには少しイラっとした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幼馴染と一緒に異世界に飛ばされたが女神からの祝福「ガチャ」で乗り切ります!! 海洋龍 @kakusei2022

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ