第十一話 EXスキル 始原流
シードラゴン型の触手を一本切った事でドラーケン本体が姿を現した。
「ギャオォォォォー‼︎!」
シードラゴン型の触手が雄叫びを上げる。
すると、それが合図だとでも言うようにシードラゴンが一斉にこちらに向き、口から激流の様なブレスが吐かれた。
おそらくあれが鑑定で見た奴のコモンスキル、"海竜の息吹"だろう。
竜星「神田流剣術、奥義ノ壱、無双剣舞!」
迫り来る激流のブレスを俺は舞の様にブレスを一つずつ、剣で港や人に当たらない様に無理矢理軌道を逸らした。だが、一つだけが逸らしきれずにエリス達の方に向かってしまった。
竜星「エリス!アメリア!ティア!避けろ!!」
俺はエリスに叫ぶ。
エリス「大丈夫、神聖魔法、光神の守護結界!」
エリスは自分が持つ杖、不死鳥の魔法杖を前にかざすと光の結界が現れ、ブレスを防ぎ切った。流石、エリスが手に入れたEXスキル、"神聖魔法"だ。魔の者や魔に付随する者には絶大な効果を発揮するスキルだとリディアは言っていた。だが、残り九本のシードラゴン型の触手の攻撃を回避しつつ、ドラーケン本体に防御力10万を超える攻撃を与えないと倒せない。でも、今の俺達はレベルもまだ低く、アメリアとティアの攻撃力を合わせても精々500を少し超えるくらいだ。
竜星(こうなったら一か八かだ、10連+1回ガチャに賭けるしかねぇ)
竜星「1000G投入10連+1回ガチャオープン!」
(スキル 剣術を獲得しました×5、同一のスキルを5つ獲得した為、スキル 剣術をスキル 剣聖に進化させます。スキル 武術を獲得しました×3、同一のスキルを3つ獲得した為、スキル 武術をスキル 武人に進化させます。スキル 飛翔を獲得しました。
スキル 全能力値10倍を獲得しました。EXスキル 始原流を獲得しました。)
竜星(何か同じスキルが沢山手に入れたと思ったら、勝手に進化したけどどうなってんだ、リディア、説明を手短に頼む)
リディア(はい、ガチャで獲得されたスキルと同じスキルは統合される仕組みになっています。そして一定数獲得するとその上位スキルに進化するのです。スキルによって一定数は違いますが。それはとにかく、スキルの説明をしますね、剣聖は剣術の威力が2倍なるスキルです、武人は攻撃力が瞬間的に2倍になりますがその代わりに防御力が2割下がります、飛翔はその名の通り空を飛ぶことが可能になります、全能力値10倍は同じくその名の通りマスターのステータスが一時的に10倍になります。最後のEXスキルの始原流はEXスキルの中でも超レアスキルですよ!この世界の全ての流派の原点と言われている伝説の流派です。マスター、今獲得したこれらのスキルを全て合わせて使えばドラーケンを倒せます!マスター、貴方ならできます、信じて下さい!)
何故だろう、リディアに言われると何故か出来る気がすると竜星は思った。
エリス「竜星、危ない!」
エリスの声にはっ!とするとシードラゴン型の触手の一本が竜星を喰らおうと大口を開けていた。
竜星「ちっ、食われてたまるか!飛翔!」
すぐさま飛翔でその場を離脱した。
竜星「エリス!俺に今使えそうな支援魔法をありったけ使ってくれ!アメリアとティアは港の人達の救助と避難誘導を頼む!こいつは俺がやる!」
アメリア「分かりました、勇者様!」
ティア「了解だよ!」
エリス「うん!竜星ならできるって信じてるよ、パワーライズ!ストレングス!サンダーエンチャント!マジックシールド!ホーリープロテクト!クイックネス!」
エリスの支援魔法により竜星のステータスが爆発的に上昇していく、更にスキルの効果も相まってとんでもない数値に到達した。
「リュウセイ=カンダ
種族 人間
性別 男
レベル20
装備 龍王シリーズ
体力500→500×10=5000
攻撃力500→500×2×2×10=20000×5×2=200000
防御力500→500÷2=250×3×2×10=15000
俊敏力500→500×2×10=10000
魔力500→500×10=5000
魔耐力500→500×10=5000
コモンスキル
神田流剣術 神田流武術 気配察知 剣聖
武人 飛翔 全能力値10倍
EXスキル
ガチャ 鑑定 始原流 」
剣聖×武人×全能力値10倍×パワーライズ×ストレングスで、攻撃力が瞬間的に20万となり、ドラーケンの防御力10万を超えた。更に10倍×クイックネスのお陰で俊敏力1万となり、飛翔で高速移動ができるようになった。防御力が一瞬250に下がったがすぐさまマジックシールド×ホーリープロテクト×10倍で15万になった。竜星は飛翔で高速で飛び、ドラーケンのブレスや攻撃を躱しながら倒す方法を考えた。
竜星(ステータスが上回っても魔物は核を潰さないと体を切断されようが向かってくるからな、あいつの核の位置が分からないからな。)
(気配察知が弱点看破に派生進化しました)
竜星(リディア、なんかまた勝手に進化したんだけど?)
リディア(マスター、今のはただの進化ではありません。派生進化は元のスキルが失われずに新たなスキルが生まれる事を派生進化と言います。なのでマスターが以前獲得した気配察知はそのまま使えますのでご心配なく。それで弱点看破というスキルはそのまま相手の弱点に赤いマーカーが表示され、そこが相手にとっての弱点となります。)
竜星(ありがとう、リディア、本当に助かるぜじゃあ早速、"弱点看破"!)
弱点看破を使うとドラーケンの頭の真ん中辺りに赤いマーカーが出た、恐らくあそこが奴の弱点なのだろう。そこから俺は俊敏力1万を活かした飛翔でドラーケンの攻撃を掻い潜り、奴の頭部に近づき、水棲の魔物が苦手な雷の力が付与された渾身の一撃を放つ。
竜星「始原流 一ノ型 剛撃!」
剛撃とはまさに名前の通り剣撃の"力"を追求した技であり、使い手の筋力が強ければ強い程山すら切り裂けるほどの威力となる。
まさに相手は山ぐらいの大きさを誇る魔物だ。その山のような巨体に攻撃力20万の剛撃が叩き込まれ、その攻撃で核を砕いたらしくドラーケンはその巨体は光の粒子となって消えていった。そして自分の前にブラックメタル製の宝箱が現れた。
竜星「何だこれ、宝箱か?」
リディア(この世界ではボス級の魔物を倒すと、討伐報酬として倒した魔物の素材や武器防具等が入った宝箱が出るのですよ。また、宝箱にもランクがありまして下から、木、銅、銀、金、白金、黒鋼、虹の7種類あります。今のは上から2番目の黒鋼ですね。きっとものすごく良いものが入ってますよ、早く開けましょう、マスター)
リディアに急かされたので宝箱を開けた。中身のライナップはシードラゴンの角、牙、鱗、肉、ドラーケンのゲソ、水属性のSランク魔石、海のように青い輝きを放つ剣、巻物が11個入っていた。
竜星「角とか牙とか魔石は分かるけど巻物は何の関係があるんだ?」
アメリア「それは魔法の巻物です、収納の神聖文字が付与されたものでそれを開くと中に収められてた魔法を放てます。」
いつの間にか戻って来て説明してくれるアメリア、だけではなくティアもあとからついて来て、エリスも近寄って来た。
ティア「討伐報酬の宝箱だね、役立つものは使って、残りはギルドに売ればかなりの大金になるね」
エリス「牙とか魔石とかかな、売れそうなのは」
竜星「この剣は何て言うんだ、鑑定」
「海王の剣(かいおうのつるぎ)
ドラーケンの素材をふんだんに使い、作られた剣、攻撃力と俊敏力が15%上昇、魔力を込めるほど切れ味が上がり、使いこなせるようになれば水を自在に操れるようになる。」
竜星「性能は中々だな、でも、俺には龍王の双剣があるし、エリスは魔法主体だし、ティアにも獣王剣があるから、じゃあ消去法でこれはアメリアのものになるな。」
アメリア「宜しいのですか?勇者様、私はただティアと港の人たちの避難誘導をしただけですし」
竜星「俺がいいって言ってるんだ、だから良いんだ。エリスとティアもそれで良いよな?」
エリス「うん、おかげで港の人達は少し怪我をしただけで、さっき避難した人達を回復して回ったけど大体の人は無事だったしね」
ティア「僕も別に異論はないよ」
そう言ってエリスとティアも承諾した。
アメリア「ありがとうございます!勇者様!一生の宝物にします!」
竜星「お、おぅ、喜んでくれてるなら何よりだ(ボスドロップアイテムが欲しかったのか?随分な喜び様だけど)」
リディア(鈍感が過ぎますよ、マスターの天然たらし)
リディアにちくっと言われた。
何故だ、解せぬ
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