第十話 伝説の存在

アメリアの案内で青龍東洋国の港町にやって来た竜星達、自分達のパーティーメンバーに加わった白虎獣神国の姫であるティアの父兄を助ける為に白虎獣神国行きの乗合馬車が来るまでの間昼食がてら時間を潰すことになりアメリアがお勧めする店の前までやって来た。


アメリア「さぁ、着きました、ここが採れた魚介を使った料理の専門店、海洋亭です。」


店の看板にはやはり日本語でそう書かれていた。

エリス「アメリア、ギルドの時もだったけど何で漢字が使われてるの?」

同じく疑問に思っていたエリスがアメリアに尋ねた。

アメリア「漢字?勇者様と聖女様の世界ではそういうのですね、こちらでは神聖文字言います。神聖文字を刻むことで刻んだ文字の加護や恩恵を得られるので神聖文字と名付けられました。」

アメリアの説明を聞きながら空いている席に座りメニュー表に目を通す。


竜星「見事に知ってるものが多いな」

エリス「だね、海鮮焼きそばに海鮮風パエリア、定番には刺身の盛り合わせまであるよ」

アメリア「おすすめは日替わり海鮮丼ですね、名前の通り、具が日によって変わります」

ティア「面白そうだね、なら僕もその、海鮮丼にしようかな。僕でも魚は焼くか煮るかの二択だったから生で食べるの初めてだね」

二人の意見が合うのは珍しいと思いつつも竜星とエリスも同じものを注文し、料理が来るのを待っていると、外が騒がしいことに気づく。

竜星「なんか外が騒がしいな」

エリス「何かあったのかな」

ティア「何かあったんだろうね、ん、これは鉄?いや、血の匂いだ!それも多い!」

アメリア「もしや、あの魔物が⁈」

そういうと、アメリアが飛び出していってしまった。

竜星「あっ、ちょっと!仕方ない、俺たちも行くぞ!」

エリス「うん!港の人たちを守ろう!」

ティア「僕も手を貸すよ」

そして三人はアメリアを追って店から出ると目の前の港には鋭い牙にアクアブルーの鱗が太陽の光が反射しており赤い目がこちらを睨んでいた、それが10体もいた。

アメリア「そんな、シーサーペント、この近くの海域には生息してないはずなのに。」

アメリアは驚愕していた。

リディア(マスター、あれはシーサーペントではありません。鑑定を使ってください!)

リディアがそう促すので竜星は言われた通り鑑定を使う。

鑑定結果には驚きの結果が出た。


「ドラーケン

種族 魔物

性別 オス

レベル300

体力

攻撃力

防御力 オール10万

魔力

魔耐力

コモンスキル

海竜の息吹 サルガッソ・スパイラル

EXスキル

無し

称号

大海の悪夢 強欲の魔王の眷属」


リディア(あれは触手がシードラゴンの様に変異したクラーケンです。この世界では伝説の存在です。どうやら魔王に力を与えられた様ですが力が強すぎて制御しきれずに暴走しているみたいです。)


竜星「魔王の眷属ってのは力を与えられたことのやつのことを言うのか?」

リディア(その通りです)

竜星「ったく、飯の時間ぐらいゆっくり食わせろってんだ。とっととお帰り願うか。エリス!ティア!アメリア!あれはドラーケンっていう伝説の魔物だ!先ずはシードラゴンに見える触手から狙うぞ、そうすれば怒って本体が出てくるはずだ!」

エリス「分かったよ!確か、水棲の魔物は雷属性にに弱いってギルドで聞いたからこの魔法で、『サンダーカッター』!」

アメリア「私も!『ロイヤルバッシュ』!」

ティア「僕も続くよ!『獣牙連爪撃』!」


エリスの雷の刃が、アメリアの閃光の如き一撃が、ティアの獣の様な荒々しい乱撃が、ドラーケンのシードラゴン型の触手に叩き込まれた。

防御力10万といえどドラーケンも三人の一斉攻撃に耐えられず触手の一本を切られシードラゴンの頭が港の堤防に落ちてきた。

竜星「よし、後触手は9本か。」俺がそう思ってるとシードラゴン型の触手の後ろの海が盛り上がりドラーケンの本体が姿を現した。見た目はダイオウイカ馬鹿高くした様だが左右に目が3つずつあり触手を切られ、明らかに怒っている様で、残りの九本のシードラゴン型の触手がさっきより苛烈さがました攻撃をしてくる様になった。

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