第七話 スキルガチャ
アメリア「では、明日王城でお待ちしてます、勇者様♡」そう言って去っていくアメリア王女。
竜星「なんか、嵐みたいな人だったな。」
エリス「うん、ていうか絶対竜星のこと諦めてないよ、あの目は。」剣呑な目で王女の去っていた方を見ている幼馴染。
竜星「エリス、さっき言ってたけど俺達、いつ結婚の約束したんだ?それにお互いの両親も公認って」
エリス「えっ、竜星もしかして覚えてないの⁉︎幼稚園の頃、卒園する少し前ぐらいの時竜星が言ってくれたの、私はずっと覚えてるよ。
「エリス、俺は君のことが好きだ、これから先何があっても決して裏切らない、エリスだけを愛し続ける、だから結婚して下さい!」
って、それでその告白見てた子がいたみたいで、それで先生から竜星のお母さんや私のお母さんに伝わって私は後から聞いたけどその時既に将来の為に備えて竜星のお母さん達が婚姻届用意してたみたいよ。」
竜星「何それ!」まさか自分の親が既に婚姻届を手に入れてたのは流石に驚きを隠せなかった。
竜星(てか、俺そんな恥ずいこと言ったのか⁈これが若気の至りってやつか)竜星は頭を抱える。
エリス「どうしたの、頭なんか抱えて」
竜星「いや、過去の自分の行いをちょっと恥じていたよ。」
エリス「恥じる必要なんかないって、私はかっこいいと思ったしとても嬉しかったよ。」そう言いながらエリスは頬を染めていた。その幼馴染の顔を見て思わずドキッとする竜星だった。とはいえ流石にこのままだと自分が耐えられないのでふと、あることを思い出し話題を変えた。
竜星「あのさ、思い出したんだけど森で襲われた魔物をギルドに売りに行こうぜ。魔物の素材は持っていけばギルドが買い取ってくれるって聞いたからな。」
エリス「そうだね、女神様がくれたお金はあるけど、多くても困るものじゃないし魔王を倒すのにこれから色々必要になると思うしね。」
竜星「そうだな」竜星とエリスはギルドに戻り買取カウンターに向かい買取をお願いした。
カナエ「やぁ、さっきぶりだね、勇者様に聖女様」ギルドの裏庭の解体所でギルドマスターが待っていた。
エリス「カナエさん、解体ってカナエさんがやるんですか?」エリスが尋ねると
カナエ「いや、どういう魔物か見る必要があるんだ、魔物の中には似たような特徴を持つ奴が多いんだ。私はこう見えて元冒険者だし魔物の知識も豊富だからね。伊達にギルドマスターはしてないさ、じゃあ早速魔物を出してくれ。」そう言われると竜星はストレージから倒したというより勝手に自滅したジャイアントロックタートルを取り出した。すると、ギルドマスター含め解体所の職員全員がびっくりしていた。
カナエ「えーっと、竜星君、もしかしてこいつはジャイアントロックタートルなのかい?」
竜星「はい、そうですが、それが何か?」竜星が聞き返すと一人の職員が依頼書と書かれた紙を持ってきた。そこには「森の主討伐依頼 推奨ランク A 人数 最低でも6人以上」と書かれていた。
カナエ「その依頼書を見てわかると思うが本来ならAランク冒険者数人のパーティーでようやく倒せる魔物なんだ、それをたった二人で討伐した。流石は勇者様と聖女様だね。じゃあ、解体と査定が終わるまでギルド内で待っていてくれ。」そしてその後、俺達が倒した(と思われてる)魔物とAランク推奨の報酬も合わせて5720Gと、かなりの大金になった。その後宿を取り落ち着いたところでエリスが
エリス「ねぇ、竜星、このお金でガチャが回せるんじゃない。」
竜星「ああ、あの装備の前のあったあれか、いいんじゃないか、俺も少し興味が湧いてきた。」そういって俺達はガチャを開いた。すると
「スキルガチャ旅の応援キャンペーン!今なら一回引くとEXスキルが一個付きます、強力なスキルをゲットしてもっと強くなろう!」そう書いてあった。
エリス「えっと、とりあえず一回ずつみよう。」
竜星「OK、じゃあスキルガチャ200G投入!」するとガチャから玉が二個出てきた後虹色に輝く玉が二個が出てきて一気に蓋が開きその光が自分達に吸収された。
竜星「えっと、とりあえずステータスを見てみるか。」
エリス「うん、そうだね。」
「リュウセイ=カンダ
種族 人間
性別 男
レベル 15
装備 龍王シリーズ(龍王の兜 龍王の胴鎧 龍王の籠手 龍王の脚甲 龍王の双剣)
体力400
攻撃力400
防御力400
俊敏力400
魔力400
魔耐力400
コモンスキル
神田流剣術 神田流武術 気配察知
EXスキル
ガチャ 鑑定 」
「エリス=ハナサキ
種族 人間
性別 女
レベル 15
装備 不死鳥シリーズ(不死鳥の神官帽 不死鳥の神官服 不死鳥の手袋 不死鳥の神官靴
不死鳥の魔法杖)
体力400
攻撃力400
防御力400
俊敏力400
魔力400
魔耐力400
コモンスキル
演舞術 全属性魔法:初級
EXスキル
ガチャ 神聖魔法 」
竜星「コモンスキルに気配察知、EXスキルに鑑定ってのが追加されてる、エリスはどうだ。」
エリス「私はコモンスキルに全属性魔法:初級、EXスキルに神聖魔法っていうが出てるけど、どういうものなんだろう?」
竜星(確かに分からないんだよな、せめてどういうスキルか分かればいいんだけど)竜星が頭を捻っていると、
???(その疑問にお答えします、まず気配察知は自信を起点として自分以外の生物の気配を感じ取れるものです、船のレーダーみたいなものですね。鑑定は鑑定したい対象を意識して見るとその対象の簡単な情報を見れるようになるスキルです。全属性魔法:初級はその名の通り火、水、土、風、雷、氷、光、闇、全ての属性の初級魔法が使えるようになります。神聖魔法は上級神官(アークプリースト)や聖女のみに使える魔法です。魔の属性や魔に付随する者に対しては絶大な効果を発揮できるスキルです。)頭の中に女性の声が聞こえてきた。
「何だ、頭の中に声が聞こえる。誰だ!」
???(私はマスターのスキルです、これからは私がマスターやマスターの幼馴染のスキルを説明する存在です。)
竜星(スキルの説明してくれるのか、それは有難いな。俺達じゃあまりスキルとかに詳しく無いから、でも、名前がないっての不便だな、うーんと、リディア、リディアでどうだ。お前の名前)
リディア(マスター、嬉しいです!はい、私の事は今後リディアと呼んでください!)嬉しそうな声で喜んでくれるリディア
リディア(マスター、天井裏に誰か隠れています。鑑定を使ってください。)
竜星(分かった、鑑定)天井裏に鑑定をかけると隠れている者のステータスが見れた。
「ティア=ワイルド
種族 獣人(白虎族)
性別 女
装備 獣王剣
LV30
体力80
攻撃力60
防御力50
俊敏力70
魔力30
魔耐力40
コモンスキル
獣王流武闘術 隠密
EXスキル
気配遮断 」
(女かよ!くそっ相手が男だったら遠慮なく撃退するけど、女だとやりづらいな、いや待てよ、確かうちの剣術に相手を殺さず無力化する技あったな。それを試して見るか)
エリス「竜星、どうしたの?さっきから天井を見つめて?」
竜星「いや、天井裏にさっきから俺達を覗き見している不埒者にいい加減出てきてもらおうかなと思ってな。という訳で、真空斬・双刃!」すると、竜星の持つ龍王の双剣から風の刃が二連続で放たれた。
ティア「きゃっ!」小さな悲鳴が聞こえて不埒者が落ちてきた。
ティア「うぅ、流石は勇者様というべきかな、まさかバレていたなんてね。」その子は綺麗な銀髪に虎耳に虎の尻尾と言った虎の獣人の女の子だ。一瞬、撫でたい!という感情に駆られたが何とか踏みとどまり、取り敢えず尋問することにした。
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