第一話 ラノベかよ

竜星「はぁ、疲れた、成り行きでクラス委員長になるんじゃなかった。」

そうぼやく俺、神田竜星はごく普通の高校生もうすぐ文化祭がある為クラス委員長は出し物の企画書の作成やらクラスのまとめ役やらで忙しくなる。

エリス「あ、竜星やっと来たね、一緒に帰ろ」そう言って下駄箱の前で待っていたのは俺の幼馴染、花咲エリスだ。エリスは幼稚園の頃、俺の家の隣に引っ越してきた。確か親の会社の本社を日本に移す為に来たと言っていた、そして俺のいた幼稚園に転園した来たんだよな、最初の頃は母親の実家があるアメリカにいたから日本語がまだ上手く話せなくて友達もいなかったのを俺が手を引っ張ってみんなの輪に入れた。それ以来彼女は俺に追いてくるようになった、というよりほぼベッタリ状態だ。その後は子供なりにエリスに日本語を教えたそのおかげか少しずつ俺以外にも友達が出来たが俺から離れる気は無いらしい。

エリス「ねぇ、竜星、最近頑張りすぎじゃない?」

竜星「ん?そりゃ頑張るさ、成り行きとはいえクラス委員長を任されたのだから、最後まで責任を持ってやり遂げるのが俺の信念だ!」

エリス「本当に真面目だね、まぁ、そこが良いところでもあるんだけど。」

その後は互いに他愛ない話をしながら歩いていたが途中でエリスが足を止めた。

竜星「どうした、エリス」

エリス「ねぇ、あれ、何かな?今までこの場所にあったけ?」

エリスの視線の先を見るとそこには一台のガチャマシンがあった。

竜星「なんだ、不法投棄か?でもなんでこんな目立つ場所に?」

エリス「でも大して汚れてないし意外とまだ動くんじゃない、ほら、カプセルもまだ入ってるし。」まぁ、エリスの言う通りゴミにしてはそれ程汚れてなくいくつかのカプセルも入っている。一回くらいなら大丈夫だろうと思い俺はガチャのハンドルを回した。

ガチャガチャガチャ、コトン

取り出し口からカプセルを取り出し開けてみた、その中には2枚の紙が入っていた。

竜星「なんだこれ?出てきたのは紙切れ2枚だけかよ。」俺が悪態をついて捨てようするとエリスが

エリス「待って、何か書いてある。」

そう言ったので紙をよく見てみるとそこにはこう書かれていた。

    異世界行きペアチケット

〜今なら女神のサービス付きで異世界で素敵な異世界ライフを送れる権利付きです!〜

と、いかにも胡散臭いキャッチコピーだった。竜星「なんだこれ、馬鹿にしてるのか?」と俺が呟いた瞬間、チケットが急に輝きだし目の前に門のようなものが現れ、俺たちはその門に吸い込まれる。

エリス「え⁈え⁈何が起こったのー!」そう叫ぶエリスを横目に捉えながら俺は心の中で呟いた。

竜星(異世界転移とか、ラノベかよ)そうして門は俺たちを吸い込むとすぐに閉じ何も無かったように消えてしまった。

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