第二話 初回限定、装備一式獲得ガチャ
不思議な門に吸い込まれ、俺たちが飛ばされた場所は木製の床に、ダイニングテーブル、簡易キッチン、木製タンス、液晶テレビ、家庭用固定電話が置かれた広さは1LDKの一人暮らしには丁度いい場所にいた。
竜星「痛た、ここ何処だ」
エリス「誰かの家かな?」と俺とエリスが状況確認しようとしてると、
?「あぁ!やっときてくれました!」
いつの間にか俺達の前には金髪碧眼で整った顔立ちの女性が立っていた、何故スーツ姿なのかはわからないが。
竜星「あなたは誰ですか?」
マリア「あ、状況がまだ飲み込めてないんですね、では改めて、私は貴方達のいる世界より少し下の世界の主神であり恵みと慈悲の女神を務めているマリアと申します。貴方達がここに来たということはあのガチャを回してくれたんですね、良かったです。これであの世界も救われます。」
そんな事を言っている自称女神にエリスが問いかけた。
エリス「あのー、マリア様でいいんですか?確かに私たちはあのガチャを回しましたけど世界が救われるってどういう事ですか?」
マリア「あぁ、それはですね、実は私が管理してるあの世界にある時突然、七大魔王という7人の魔王が現れまして、あの世界で好き勝手し始めたんですよ。私もすぐに対抗するための策を講じたんですけど、魔王の中に空間に作用する力の使いがいたみたいで私や他の神達の力をあの世界がなるべく受け付けないように結界を張ってしまって、私達はせいぜい神託を告げるぐらいしかできなくなってしまったのです!」そこまで言った自称女神の言葉に俺はなんとなく察した。要するに魔王の張った結界のせいでお告げを与えるぐらいしかできないから別の世界の人を呼んで勇者にして世界を救ってほしいって事だろう。まさにラノベあるあるだ。それは分かるが、
竜星「つまり、俺達は、貴方達の、不手際の、尻拭いを、させる為に、あんな詐欺まがいのキャッチコピーで、呼んだ、ということか⁉︎」と、俺は僅かに怒気を出すと同時に自称女神の顔面にアイアンクローをお見舞いした。
マリア「痛だだだだ!ごめんなさい!ごめんなさい!でも、世界を救う方法がこれしか無くて、それとキャッチコピーの前半は嘘じゃないですから!だから離してください!」
竜星「前半?」俺は首をかしげる、それでもアイアンクローはやめなかったが流石にまずいと思ったのかエリスが静止にきた。
エリス「竜星、そろそろ離してあげて、流石に女神を名乗ってる人にアイアンクローし続けるのは不味いと思うよ、天罰とか下されても文句言えないよ。」
竜星「分かったよ、で、前半ってのはどの部分だ?」俺はエリスに宥められ渋々女神を離して再び話を聞く。
マリア「まだヒリヒリしゅる、あ、それで前半ってのはあれです、今なら女神の加護つきの部分です。」
竜星「あぁ、あれか、で、その加護ってのは具体的になんなんだ?」
マリア「はい、まずはお二人の元々の能力を底上げします、そうすれば向こうの世界に行っても余程な事がない限り死ぬことはありません。まぁ、これは異世界に行くことになった人に普通にすることで、こっちが本当の加護です。」と女神が俺たちに手をかざすと淡い光が俺とエリスの中に入ってきた。
竜星「これは?」
エリス「大して何も変わってない気が」
マリア「まぁまぁ、お二人とも「ステータス」って唱えてみてください。」
竜星・エリス「ステータス」言われた通り唱えると目の前にタブレットみたいな薄い画面が現れた。そこには俺たちのステータスが記されていた。
「リュウセイ=カンダ
種族 人間
性別 男
レベル 1
体力100
攻撃力100
防御力100
俊敏力100
魔力100
魔耐力100
コモンスキル
神田流剣術 神田流武術
EXスキル
ガチャ 」
「エリス=ハナサキ
種族 人間
性別 女
レベル 1
体力100
攻撃力100
防御力100
俊敏力100
魔力100
魔耐力100
コモンスキル
演舞術
EXスキル
ガチャ 」
マリア「それと大サービスでこれもおつけします!」そう言うと女神は懐から二枚のチケットを渡してきた。そこには
初回限定!装備一式獲得ガチャチケット
と虹色に輝く文字で書かれていた。
マリア「今お渡ししたのはそれに書いてある通りに旅に行く際に役立つ装備が丸一式手に入るガチャ専用チケットです。詳しくは向こうの世界に送った後、ついでに色々教えますので!それでは、送りますよ!転送!」
竜星「ちょっ!またかぁぁぁぁ‼︎」
エリス「ひぃぃ!2回目でもやっぱり怖いぃぃぃぃ‼︎」こうして俺達は呼ばれた時と同じやり方で異世界へと送り出された。
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