ホーステール

ハタチ大学生、コンビニ早朝アルバイト。


今日も私は朝4時に起きて、朝ごはんを食べる。今日は昨晩の残りと納豆ごはん。食べ終える頃には外も明るくなってきて、夏の一日の始まりを感じる。


5時半頃、アルバイトの制服と大学の講義のテキストをかばんに詰め込んで家を出る。夏真っ盛りでもこの時間帯は過ごしやすい気温で、やわらかい風が心地良い。




早朝アルバイトはいつもペアで、店内やレジ周りの掃除などの業務を分担している。今日は私が店内の掃除担当だ。


しばらくしてレジが混み始めたのだろう、ブザーでレジに呼ばれる。




「お次にお待ちのお客様、

 こちらのレジへどうぞ〜」


レジに入ると、そこは私のステージだ。ほんの1分のできごとかもしれないけれど、その時間を楽しく、心地良く過ごしてもらいたい。お客さんの仕草や声のトーンから、ちょうど良い空気感を探る。それが私のレジ。




いつものお客さんが今日もいつもと同じ商品を買って行く。それは、いつもと同じ1リットルの麦茶だったり、いつもと同じチョレギサラダだったり、いつもと同じ煙草だったり。


このコンビニもいつも同じ場所にあって、ある程度同じ商品が揃っていて。


私も、そんな「いつも」になれたらいいなと思う。当たり前なようで当たり前じゃないのだろうけれど、安心感のある「いつも」の店員さんになりたい。




退勤の時間になり、私は大学へ向かう。中にいて気が付かなかったが、もう外は蒸し暑い。

こうしていつものアルバイトが終わり、いつもの大学生活が始まる。




【ホーステール】

つくしが成長したものがホーステール(スギナ)。

緑茶のような香りと草の味わい。

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