8/28 やっと言えた
8月29日。雨模様。今日は肌寒いくらいに涼しい。
午前中は暇をもてあます。サンプル本の発送をしようとアプリをあれこれして、色々調べた結果、この方法だと配送料がものすごく高くつくことを知った。急いでDMで注文してくれた人全員に謝罪と訂正のDMを送る。なんで事前に調べていなかったんだろう。自分の計画性のなさが嫌になる。
そもそも送料を込みで原価計算をしていないのだから馬鹿である。それは結構前からわかっていたけれど、私の落ち度なので身を切ろうと思っていた。が、さすがに想定より高すぎたので訂正。ただでさえ金欠なのでちょっと厳しかったです。お騒がせをして申し訳ないです。
午後からは社員さんに誘われてごはんへ。「どうせ最近まともなもの食べてないんでしょ」と言われ、ぐうの音も出なかったので、のこのこ出向く。何を言われるんだろう、私はちゃんとなびかないことができるだろうか。そんな風にドキドキしていたら、むしろ退職することを後押しされて、色々と励まされてしまった。その人は母よりひとまわりくらい年下の人なのだけれど、「私の娘がそういう状況だったら、迷わず帰ってこいって言う」と言い切っていた。
そもそもその人には、社員になることを反対されたこともあった。その時の伏線回収だな、と最近思っていた。「授業をできるだけの能力はたしかにあるんだけど、性格的にきついと思ってたんだよね」とその人は言った。
「まあ、新しい土地で新しいことしたり、創作活動に打ち込むのも悪くないと思うよ」
運転をしながらそう言った横顔がかっこいい人だった。
またごはん誘うね、とその人は言ってくれた。私はこの人が好きだったから今までここにいれたんだよな、と思った。
帰ってから。例の社員さんからの応援もあって、社長に連絡をした。ドキドキしながら、何度も文面を読み返しながら、勇気を出して送った。
心身の健康回復のために、母方の実家に帰ることにしました。今までお世話になりました。簡単に言えば、そんな内容のこと。
先方からはこんな返事が返ってきた。目に焼き付いて離れなかったのは、この数行だった。
「どんな職業であれ、働くということは義務と責任が生じるし、ストレスは避けられないものだけれど、君の心身はそれに耐えられない状況だったということだね」
その後は、明日で退職という扱いにすること、今までお疲れ様、ということが続いていた。どう返したらいいかわからなくて、「ありがとうございます」と返した。
ともかく、これで一区切りついた。
学生時代から数えて、だいたい丸4年勤めたところだった。
長かったような、短かったような。
人生の一つの章が終わった、気がした。
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