8/25 診断書:二カ月の自宅療養
8月25日。今日も熱は下がらず。
午前中はどうやって過ごしたんだかよく覚えていない。とりあえずごはんを食べて、先輩と電話をしていた記憶はある。
午後一番、精神科の開業にあわせて電話をかける。午後すぐの予約がとれたので、話したいことをまとめて、病院へ。
先生に最近のことを全部話した。熱がずっと下がらないこと。今の会社に勤め続けることに無理を感じていること。焦燥感。不安。自己嫌悪。精神科救急の保健師さんに相談をしたら、今は体を休めた方がいいと言われたこと。実家(※母のところ)に戻ろうと思っていること。けれどそれを、なかなか会社に切り出せないでいること。
先生のことを自分のために利用するようで、正直気が引けた。また自分が嫌いになりそうだった。けれど、これも今後のためだと思って、どうにかがんばって話をした。
いつものように反応の薄かった主治医の先生は、淡々と診断書を書いてくれた。
「意欲低下、焦燥感、情緒不安定などの症状があり、上記診断(双極性感情障害)で通院治療中。8月中旬から症状が悪化傾向になっているので、2カ月間の自宅療養が必要である」
診断書を貰った瞬間、安心と不安とが同時に押し寄せた。
これで、「ドクターストップがかかりました」と会社に申告することができる。
もう後に引けなくなってしまった。
今後のことを考えると、怖くてどうにかなりそうだった。金銭面はギリギリなんとかななりそうだ。けれど、どんな顔をして社長に、他の社員さんに会いに行けばいいのか。考えるだけで胃が痛くなる。気が重くなる。いつ、どうやって切り出せばいいんだろう。頭の中がぐるぐるしてまとまらない。
とりあえず、カードは手に入れた。あとはこれを使うだけ。
使うだけ、なんだけど、これがものすごく勇気が要る。動悸が止まらない。この診断書を握りつぶして、素知らぬふりをして働くことができれば、その方がずっとずっと楽だ。
ただ、長い目でみれば、そうはいかないこともよくわかっている。
だから私は、怖くても一歩を踏み出さなければいけない。
がんばらなきゃ。
もう少しだけ。
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